ハ ウ リ ン キ ャ ッ ツ

 五線譜という名の線路を辿り、きみと奇跡を探しに行こう。

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邂逅(そして、新しい旅)

朝もやの立ちこめる橋の上でなつかしい友人にばったり出会った。子供のとき以来会っていないはずなのに、彼は昨日も会ったみたいにごく自然に「やあ、元気?」と聞いてきた。

ずいぶん久しぶりだね。

「そうだね、でも、また会えた」

こんなところで会えるなんて思わなかった。

「そう? ぼくは、きっとまた会えると思ってた」

私ね、子供を産んだんだよ。

「知ってる。待ちかねてたよ。エイトが来たら、きみはきっと、またぼくをここに呼ぶだろうと思ってた」

濃い朝もやは、ミルク色。しっとりと重く、まるで魔法みたいに、私と彼の間に流れて行く。いまの私の肘くらいまでしか身長のない彼と、その昔、手をつないで大冒険に出かけた日のことを私はふと思い出す。船に隠れてみかん島に渡った朝、波止場には確かこんな風にミルク色の深いもやが立ちこめていたのだった。彼と行った数々の大冒険に心がぐっと詰まって、私は衝動的に言葉を紡ぐ。

おぼえてる?

「おぼえてるよ」

ほんとうに?

「なにひとつ失われたものなんてないよ。ぼくも、きみも。だいじなものって、そうそう簡単には無くさないんだ。ただちょっと、旅に出たりすることがあるだけさ」

私、遠くへ行って、そしていま、あなたのところへ戻ってきたのかな?

「きみも、ぼくもだよ。また会えた。もしもいま、何かをなくしてしまったかもしれないときみが思っていたとしても、それがほんとうに大事なものなら、永遠に失うなんてことはない。きっとまた、こうして出会うことが出来るんだ。ほら、ごらんよ! 新しい船だ!」

振り向くと小さな美しい金色の船が、遠くの岸辺でもやい綱を解くところだった。

「あれがぼくたちの船だ。さあ、大冒険に出発しよう!」

私たちを祝福するように、ばらばらと、ももいろの棒つきキャンデーの雨あられ。


絵本の13ページと14ページの間でずっとずっと私を待っていてくれた、古くからの友人の名前はエルマー・エレベーター。私とエイトは、リュックサックを背負って、これから彼とりゅうを探す旅に出ます。きっと、私だけでなくほかの誰かの親友でもある、素敵な素敵なエルマー・エレベーター。優しく勇敢で、いつだって小さな私の憧れだっただいすきなエルマーに、エイトを得て再び巡り会えたことが、私は本当に嬉しい。

「コウモトヒロトくん? 知ってるよ」

彼もぼくの最高の友人だよ、そう言って、エルマーはへたくそなウインクをしたんだよ。
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