ハ ウ リ ン キ ャ ッ ツ

 五線譜という名の線路を辿り、きみと奇跡を探しに行こう。

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ぼくらのブルーハーツ


クロマニヨンズ、大阪からツアー始まりました。あんまりそのことについて考えると、うらやましくて眠れなくなるので考えないようにしています。気をそらそうと手元の本をサクッと手に取ったら、大槻ケンヂの「リンダリンダラバーソール」でした。これはバンドブームの渦中にいた筋肉少女帯というバンドのボーカリスト、大槻さんがその幻のようなバンドブームについて書いた本で、私はかなりじょうずにあの熱狂の時代を描写しているように思います。何気なしに繰ってたら、ブルーハーツについて大槻さんが書いた章が目にとまり……ああ、考えないようにしていても、こういうときは不思議なもんで、ヒロトさんやマーシーのことを膨大な情報の中からいやでも探し当ててしまうのだな。
大槻さんはこの本の「ザ・ブルーハーツ」という章において「彼らの一番の魅力といえば、ズバリ‘愚直の美’という一点に尽きただろう」と述べている。そのあと、話はプロレスラー・大仁田厚とブルーハーツのカリスマ性の相違なんかに話は進むのだけど、大槻さんが言いたかったのはまさにこの‘愚直の美’に関してだったはずで、にもかかわらず、彼がおそらく100%の理解を持って‘愚直の美’を称賛しているわけではない節が行間からうかがえるのが面白い。
というのも大槻ケンヂと筋肉少女帯というバンドは、‘愚直の美’とは対極にいるような厭世感たっぷりの歌を歌うバンドで、今考えるとあれはあれでものすごく解りやすい厭世臭だったのだけど、その頃は「屈折してる、オレ」とか「周りになじめない、オレ」が聞くような歌だったんだよ。その厭世サウンドな筋肉少女帯も「がんばれ!」とか歌ってたブルーハーツもまとめて「ロック」で「バンド」で同じくくりだったのがバンドブームのすごいとこでさ、いま思うとめちゃくちゃ面白い時代だったんだけど、私は時期的には少しずれて、バンドブームの燃え残りの頃に学生だったからとても残念だね。
で、ふと思い出して1989年に出版された「ブルーハーツ 1000の証拠」っていう宝島編集部の本を出してきて見たら、ここにもブルーハーツに対してのオーケンのコメントが載ってるわけです。ほらねブルーハーツの本のコメントにオーケンなんだから、どういうくくりだったかがわかるでしょ? 髪をおったててさ、わー露骨にバンドマンーって感じの昔のオーケンは、悔しいし納得いかないながら「リンダリンダ」にモーレツにカンドーしたこと、それが青春の普遍的な美しさを感じさせる大名曲であること、そして、ヒロトの才能が妬ましいこと(これをオーケンは「アマデウス」のモーツァルトに対するサリエリのよう、と例えている)を評論として書いている。この嫉妬心はたぶんずっと彼の中から消えなかったんだな。だから、「リンダリンダラバーソール」で改めて‘愚直の美’とブルーハーツをいい変えたときも、それを心から称賛するのではなく一種ひねた感じが文章に出たんだろう。
でもさ、まさにブルーハーツの怖さ、凄さというのはここにあってさ。「どぶねずみみたいに 美しくなりたい」という言葉は、いかにもそういう音楽を聞いて「おれのことだ!」ととび跳ねそうだった当時のちょい不良、みたいなやつらだけじゃなく、大槻ケンヂのようなひねて拗ねたような「素直さ」をとことん嫌う人や、青春真っただ中にあったわけじゃない疲れたお兄さんやおじさんたちまで、本当にいろんな人の心に穴をぶち空けてしまった。もっと簡単に言うと、それまでロックンロールに興味のなかった人間さえ掴んで離さなかった歌なのだ。そんな歌はめったにない。
「リンダリンダ」は誰もが持っている、もやもやして、でも明るいみたいな感情に名前を付けてしまった。それは「乞食」をあからさまに「乞食」と呼ぶような行為で、「ああ、ついにやった」「言っちゃった」ってみんなすげードキドキしたと思う。そして、愛するにしろ、あるいは憎むにしろ、オーケンのように妬むにしろ、未だに「リンダリンダ」は、まるで生爪剥がすみたいに、人に強烈な感情をもたらす歌なのだと私は思う。
このロックンロールをはみ出て被害をもたらしたあたりと、伴う強烈な感情の発露がブルーハーツと彼らの歌について語るのに難しいところで……「リンダリンダラバーソール」でかなり客観的にバンドブームを分析できているオーケンですら、ブルーハーツについては‘愚直の美’とかプロレスの話とかでお茶を濁しているわけだからなあ。つい最近も書いたのだけれど、ブルーハーツについてきちんと語る人が出てくるには、もう少し待たなくちゃだめなんだろうな、やっぱり。

ああ、くだらないことを延々と書いてしまった。こんなこと書いている間に、クロマニヨンズの大阪2日目のライブが終わったんだろうな。「リンダリンダ」から20数年、彼らは今夜、どんな風にみんなを震わせているんだろう。

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