ハ ウ リ ン キ ャ ッ ツ

 五線譜という名の線路を辿り、きみと奇跡を探しに行こう。

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THE WHO・日本武道館(2008年11月17日)


基本的には東京でやるクロマニヨンズのライブには「万全を廃して」行くことにしている私ですが、今回、唯一「これはクロマニヨンズ行ってる場合じゃねえだろ」という「万全を廃せない」状況があり、それが今日のフーのライブでした。なにがどうついてなかったのか、突然止まるはずのない電車が事故で止まったりしましてね……九段下駅から武道館まで猛烈にダッシュですよ。ぎりぎりで間に合ったのですが、息切れしました。席はアリーナじゃないけど、けっこうよく見える場所でなかなか良かったんですけども。西側です。すこし角度のついた、日本武道館のシンボルである日の丸のでっかい旗見ながら、今日ばかりはこれもモッズマークにしちまえばいいのに、なんて、妙なところに息切れの恨みをぶつけてみたり。

でもね、最初の曲、「Can't Explain」の、ピートが振り下ろす右手の、ほんとうに最初のEの音を聞いた瞬間、なにもかも持っていかれた。ああこのために私は走ってきたんだよ、って思った。ピート・タウンゼントのギターは強烈にキラキラしている音だ。ガラスをちりばめたような閃光を発して、私たちの間を縦横無尽に駆ける。長身というよりもチューインガムを引き延ばしたみたいにどこもかしこも間延びしたピートの体躯(もちろん顔も例外ではない)に、またフェンダーのストラトかな、ああいう曲線の際立つ形のギターがよく似合うこと。そして、決していい声じゃない、若い頃に持っていた声質すら失った感のあるロジャー・ダルトリーの歌うしゃがれた声は、しゃがれているのにはっきりと探していたものを見つけたような気がしたよ。おかしいな、何もかも、今まで好きで聞いてきたCDの中のフーと違うじゃないか、だけど、おんなじだ。これだよ、これを聞きに来たんだ。変わってるけど変わってない。嬉しくなるじゃないか、だいじょうぶだ、私たちにはザ・フーがついている。
ロジャーのマイク投げの妙技、ピートの風車弾きも炸裂大コンボ、よくある格闘ゲームの中堅どころの敵のボスならとっくのとうに打ちのめされてる。ブッ飛ばしてブッ飛ばしてまだブッ飛ばす、ピート・タウンゼントはステージで長い手足を宙に浮かせて電子飛蝗の夢を見る。
しかしピートは、あれは天性のリズム感が優れているのだろうか、ソロはもちろん、細かく刻むリズムギターのうまさに、もちろんそういう上手な人だと知りつつも心底ビビった。風車弾きもきちんと腕を回すタイミングとリズムが合っているからこそカッコよく決まる技。さっそく影響されて、帰って来てからピート張りに腕を回してギターを弾こうとしたら、弦をかすりもしないばかりかギターのボディに手をぶつけて、痣になったあたまのわるい私だ。
よく動き回り足をけり上げながらギターを弾くピートが、回ったり前に歩くのはもちろん、後ずさりしながらプレイする姿があまりにカッコいい。いままで後ろ歩きする姿までもがカッコいいと思ったギタリストはいなかった。時々歌うロジャーの横につけて、妙に直立になりおとなしく弾いたりするのも素敵だ。それにしてもロジャー&ピートって、漫才師みたいな凹凸コンビ……。

「Baba O'Reily」で十代の荒野について歌って「My Generation」で「年取る前に死にてぇぜ」と吐き捨て(この曲のベースはジョン・エントウィッスルでなくて現メンバーのピノ・パラディーノでもやっぱり素晴らしい、そしてまるでついでのように書くので悪いが、キース・ムーンのいない大きな穴の埋め役といういささか同情すべきポジションを、ザック・スターキーはほんとうによくこなしている、と、今日感心してしまった)、さんざん暴れて、そして、極めつけに最後に、ピートのアコースティックギターとロジャーの歌だけで締めくくられた「Tea and Theatre」。間違いない、隅から隅まで、やっぱりフーだ。We are lucky. We are very, very lucky!
キース・ムーンがいなくても、ジョン・エントウィッスルがいなくても、やっぱりステージにいるのはフーだった。アンコールのメドレーの、曲と曲の間に切れ目がないのがものすごい。ピートの歌うとき、両手に持ったタンバリンを叩き続けるロジャーの存在感の異様なこと。すべてが色彩と生々しい熱を持っていまも思い出から立ち上がってきそうな気配。史上最高のライブ・バンド、ザ・フー。今日、いったい何人の馬鹿ものが、ライブが終わった後でピートの真似をしてエアギターを持ち、手を振り上げたんだろう。

ザ・フーには見に来てくれた人を喜ばせるエンタテイメント精神があると思う。だからこそ彼らはいまも最高のライブバンドなのだな。見ていて本当にわくわくするし、どうしたって真似をせずにいられないもの。派手なだけで、普通に弾いた方がよほどうまく弾けるような「風車弾き」を考えるような男にまさかエンタテイメント精神がないとは言わせないぞ。自分たちも楽しんでるけど、でもなにより楽しんでほしいんだな。ここらへん、もう少し、「僕たちが楽しければいいんだ」なんて言ってるクロマニヨンズのおふた方にも見習ってほしかったり、そうでもなかったり。

今宵はきんいろに燃えるような月までフー三昧。おお、キース・ムーンが見ているぜ。もしも今週水曜の夜、君の時間が空いているなら、私は断言する。武道館に行け、そして彼らを間近に見ろ。世界より先に、自分が変わってしまえるぜ。



ギターウルフのトオルさんのブログに、THE WHOの埼玉の公演に行ったという記事のブログがあり、その中にヒロトさんとマーシーが来ていたよ、なんてことも書かれておりましたよ。今日も自分たちのライブでなければ、彼らは武道館にも足を運んだに違いないのだ。

セットリスト
Can't Explain
The Seeker
Anyway Anyhow Anywhere
Fragments
Who Are You
Behind Blue Eyes
Relay
Sister Disco
Baba O'Riley
Eminence Front
5:15
Love Reign O'er Me
Won't Get Fooled Again
My Generation
Naked Eye

Encore:

Pinball Wizard
Amazing Journey
Sparks
See Me Feel Me
Tea and Theatre

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