ハ ウ リ ン キ ャ ッ ツ

 五線譜という名の線路を辿り、きみと奇跡を探しに行こう。

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ミュージカル「ラ・カージュ・オ・フォール」


このミュージカルに真島さんが出てるって言うから! 真島さんが! いやそれ違う真島。真島は真島でも「マツケンサンバ」の振付師のほうの真島。こっちの人はましまじゃなくてマジマって読むんだってねー。それにしても「真島」って聞くだけでときめきスイッチの入るこの胸をどうにかして欲しい。この変換処理速度の速さと言ったらもう。「やめられないとまらない」→「かっぱえびせん」並みのすばやい連想。
12月7日、開演17時30分。初演からまだ3回目の「ラ・カージュ・オ・フォール」の会場は満席。このクソ忙しい年末にミュージカルを楽しむ人間がこんなにいることに、私はむしろほっとする。ミュージカル鑑賞なんて聞けばそうとう優雅だろうけど、たぶん、すごくぎりぎりの状態で何かを求めてここに来ている人だっていたりして。どうしても見たくて仕事そっちのけで駆けつけてきた人がいたりして。人生においては大して役に立たない「芝居を見る」と言うことが好きで、そのことだけのために目を輝かせている人がこんなにいて、ああ、自分だけじゃないんだな、なんでこんなにもこのミュージカルが好きなのかわかんない人は、って思うと、私はほんとうに安心するし、嬉しい。

「ラ・カージュ・オ・フォール」はゲイのカップルを描いた物語で、舞台はこの夫婦の夫・ジョルジュが経営するゲイクラブ。妻であるアルバンがクラブのトップスターで、芸名はザザと言う。夫婦の間には息子がひとりいて、これはジョルジュの昔の一夜の過ちで出来た子供だ。アルバンはまるでほんとうの息子を育てるようにこの子を愛した。そのジャン・ミッシェルが結婚する(しかも女と!)というからジョルジュとアルバンは一騒動、しかもそのお相手は、ゲイクラブ大反対、一斉駆逐を掲げる政治家ダンドン議員の娘だというからもう一騒動。ダンドン議員が挨拶に家まで来るという日、アルバンを一体どうするか、いかにも「We are ゲイ!」な部屋の調度品をどうするか、それぞれの思惑で事態はどんどん思わぬほうへ転がって……。ショー部分の胡散臭さも全開、オカマバーを覗いた気分にもなれてお得なミュージカル、「Mr.レディ Mr.マダム」という題名で映画化もされているコメディ作品だ。

ザザを演じる市村正親さんはいわずと知れた芸達者な役者さんでもちろんゲイ役も達者。もう三度か四度このザザを舞台で演じているはずで、練れた演技は余裕すら感じさせる。今までの彼の相手役ジョルジュは、細川俊之さんがやったり、岡田真澄さんがやったりしてきたのだけれど、今回の鹿賀丈史さん、私はこれが、この組み合わせが見たかった! 市村さんと鹿賀さんと言えば劇団四季時代からの盟友、「ジーザス・クライスト・スーパースター」でお互いの当たり役(鹿賀さんがジーザス、市村さんがヘロデ王)を演じたときの舞台はいまや伝説だ。それなのにその後、不思議なくらいに共演がなかった。やっと共演の報を聞いて喜んでチケット取れば、鹿賀さんが急性虫垂炎で降板になるし(忘れもしねえ、三谷幸喜さんの「You Are The Top ~今宵の君~」のときだよ)やっと共演を拝めたと思ったら、めちゃくちゃハードボイルドな政治がテーマの演劇「デモクラシー」だった。……いや、いいんだけど。「デモクラシー」も観たけど。でもさ、せっかく芸達者がふたり揃ったんだから、そんな鹿爪らしい演劇よりも、こう、歌ったり踊ったりも見せて欲しいかな、みたいな……。(「ペテン師と詐欺師」もふたりでやったけどね)

芸達者?

ゲイ達者!!

で、待ち望んだ「ラ・カージュ・オ・フォール」ですよ。相変わらず前書きがくどい私だ。でもね、私はこのミュージカルが大好きなんだよ。細川×市村のも、岡田×市村のも再演のたびに観ている。「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」しかり、「キンキーブーツ」しかり、性を超えて聖に近い人々が織り成す群像劇には、やたら必死で、どうしようもなくて、嘘臭くて、胡散臭くてえっちで、だけどかわいい、小さな小さな微笑みたいなところがある。私はたぶん彼らの天を振り仰ぐ眼差しや、無理だと知っていて尚、手を伸ばし続けるその姿勢に憧れ、共鳴を感じているのだと思う。
今回の鹿賀×市村は良かった。ほんとうに良かった。年齢のせいもあるだろう、市村さんも以前に比べてダンスやパワーでは確かに昔の舞台に劣ってはいるものの、むしろその年齢がよりリアルな「中年男性斜陽ゲイ2人」という姿を裏打ちして、見ようによってはひどくみっともないぶん、最後にジョルジュとアルバンが手に手を取り合う姿が強烈に美しい。鹿賀さんは声が素晴らしく艶があってなまめかしい。ベルベットかあんたの声は。あの声で命令されたい。鹿賀さんの声で毎日起こしてくれる「鹿賀クロック」がいま、すごく欲しい。限定受注生産でも買う。普通に時刻を告げてくれるだけでもきっと「惚れてまうやろー!!」 ってなる。
レ・ミゼラブルのジャン・バルジャン役でもそうなんだけどね、鹿賀さんってなんだかたたずまいに妙な威圧感と言うか、貴族的な近寄りがたい雰囲気と言うか、得体の知れない魅力と言うか、そういうのが濃く(くどいくらい)まとわりつく人なのね。「料理の鉄人」でもそうだったじゃないですか。あんなぴらぴらの服に変に説得力があるのあの人だけだよ?! で、ジョルジュ役もね、私はこの鹿賀さんのキャラ設定が、すごく自然で、照れ屋で、でもアルバンを愛してて、ちょっとお茶目で、マジですっとぼけてて、いちばん好きですね。
ジャン・ミッシェル役の山崎育三郎さん、はじめて見たけれど歌が良く伸びてうまい。ダンドン議員役、今井清隆さん、少し迫力に欠けるかな? ダンドン婦人役、森久美子さん、この役は彼女でなきゃ! 美味しい役だよね。それでハンナ役のマーシー、じゃなかった真島さん、ほとんど趣味だろこの役は! イキイキと舞台の上をムチを持って駆け回っていました。

「ラ・カージュ・オ・フォール」、直訳すると「籠の中の道化たち」。みんな籠の中に囚われていて、でもそれが誰かの作った籠なら、それはいちばんつまんなくて。「自由」って言葉はすごく耳通りがいいけど、なにかから自由になるってことは、また別の籠に囚われるってことじゃないのかな? 
そしたらせめて、境界線は自分で引こう。自分を繋ぐ籠は自分で作ってしまおう。そこに私がいて、あなたがいて。確かに囚われ続けて、不自由な私たち。でもさ、この籠はきれいな硝子でできている。そして、この籠は、この籠こそは、男だとか、女だとか、ゲイだとかオカマだとか、そういうことでは絶対に不自由にならない、世界でひとつの、特注特別の籠なんだ、ぜ。


☆ミュージカル中で歌われる歌の数々も、もう大好きです。CD持ってます。「今このときを~♪」って、ラストはみんなで歌おうぜ! ちなみに私の見に行ったこの公演、最後は見事なスタンディングオベーション。日本でやるミュージカルでこんなにハッピーにスタンディングオベーションになるミュージカルは、あんまりないと思います。

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