ハ ウ リ ン キ ャ ッ ツ

 五線譜という名の線路を辿り、きみと奇跡を探しに行こう。

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映画紹介「キル・ビル」


またクェンティン・タランティーノ作品を観てしまったじゃないか。この人の作品は癖になる反面、ルパンⅢ世の石川五右衛門みたいだが「ま、また観てしまった……」感が、私の場合は何故だかつきまとうんだよな。


ずっと殺し屋を生業としてきた主人公。普通の男性との結婚式当日、元恋人であったビル率いる殺し屋一味は彼女を追って来て、式に参加するはずだった全員を皆殺しにする。主人公も嬲り殺されかけるが4年後に長い昏睡から醒め、殺し屋一味への復讐を決意する……。舞台が日本に設定されているVol.1は、刀を作りに沖縄に行ったり、ルーシー・リュー演じるヤクザの元締めとヘンな日本料理屋(?)で戦ったり、タランティーノらしくユーモア交えた見どころ満載。


首とか足とか簡単に吹っ飛んだり、栗山千明が演じる「戦う女子高生」が出てきたり、まあいちいち突っ込んでいったら限りがない。この映画で感心させられるのはやっぱりタランティーノの「状況スライド」の巧さだ。
こなたで金髪の美女が雪降る庭で日本刀を構え、あなたでルーシー・リューがどことなく回ってない舌で「ヤッチマイナー!!」というこの違和感。勿論中には明らかにタランティーノが狙って仕掛けてきた笑いの罠もあるけれど、例えば雪の庭で日本刀を手に向かい合うのが菅原文太と梅宮辰夫だったらどうだ。この「キル・ビル」でも冒頭にその死を惜しまれていた、深作欣二の仁侠映画の中でいかにも有り得そうなシーンじゃないか。
余りに、余りに日本的である筈の義理人情の世界を、タランティーノはそっくり外国人に演じさせてみせる。どうしようもないズレと、だから生まれてくるブラック過ぎる笑い。徹頭徹尾真面目にハズし続けてみせるこのやり方、フランス映画ヌーベルバーグ、ゴダール監督の映像手法を、全く合致するところがないと思われたスパイ映画に放り込んだタランティーノ初監督作品の「レザボアドッグス」と基本的に考え方は一緒なのだな。
けれど、パクリと呼べるようなものじゃない。これはただパクるなどという頭を使わなくていい作業ではないのだ。
だからこれを「スライド」と呼びたい。我々に一種のお互い通じ合う固定観念のある状況(例えばヤクザ映画の世界)を、タランティーノは別のあり得ない状況(金髪碧眼、しかも女性が演じる)の中で再現してみせる。枠組は一緒なのに別の状況でしっかり機能する、内容を「スライド」させるやり方だ。「レザボアドッグス」もそうだけれど、これは簡単なようであって話にまとまりをつけるのはとても難しいと思う。そしてこうやって説明するとなんだかひどく馬鹿馬鹿しいが、今までこんなことを思いついて、実際に映画にしちゃったやつがいるだろうか。だから、タランティーノの映画は面白いしやっぱり凄い、のだ。
でも日本人の場合、ヤクザ映画というものがわりに通俗的な観念としてあるからいいけど、実際のところこの映画はそういう通俗観念のない欧米の人々に、最終的にどう受け入れられたのかね。元ネタを知らなきゃ「日本人っていつもこうなのか?」と勘違いされかねないじゃないか。そこまで含めてタランティーノの作戦なのか?

勿論Vol.2も観たんだが、Vol.2の方が余計に「ま、また観てしまった……」感が強かったよ。

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