ハ ウ リ ン キ ャ ッ ツ

 五線譜という名の線路を辿り、きみと奇跡を探しに行こう。

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BO GUMBO3×甲本ヒロト・2010/01/21 新代田FEVER


ロックンロールについて話をしよう。

と、もしも私が切り出すなら、最初に話すことは決まっている。
「この歌がどうしても自分で弾いてみたくて、そんなにまでひとつの歌を愛したことは始めてで、だからギターを持とうと思った。それからいろんな歌に出会えたけれど、それでも、やっぱりこの歌のことがいっとう好きだ。あの歌を歌う彼のことが好きだ。あの歌でソロを奏でるあの人のことが、とても好きだ。彼らがいてくれる、ロックンロールの世界が私は好きだ」

ザ・ハイロウズ「日曜日よりの使者」。

もう、生では聞けないのだと半ば諦めていたよ。でもさ、あるんだぜ? 奇跡って。

「ボ・ガンボ3」の、このライブに足を運んだこと、ヒロトさんを大好きないろんな人に「羨ましい」って言われた。きっとそうだと思う、もしも私がこのライブに行けなくて、後からこんな話を聞いたら、きっとはらわたが煮えくり返るほど嫉妬すると思う。たくさん後悔もする、「なんで私は行かなかったんだろうバカバカバカ」って。私にも、そういう経験がいくつもある。

だけど、こういうのって順番だと思うんだ。今回、私、ずいぶんいい思いをしたよ。ありがとうロックンロール。そしてこのことについては、君がどんな風に羨ましがっても、どんな風に悔しがっても、私は胸を張って言ってやる。
「あたしはいたんだ! あの場にいたんだ! ヒロトさんの歌を聞いた! 最・高・だった・!」
思う存分、心底、羨ましがって悔しがってくれ。どれだけ、自分が彼らのことが好きでどうしようもないか、よくわかる。
ね、こういうのって順番だと思うんだ。ロックンロールの神様は気まぐれだから、次は私を飛ばしてきみに「お前だ」って指をさすかもしれない。そのときは、私、すげえすげえ羨ましがる。そしたらさ、私に教えてよ。あの人たちがどんなに素敵だったか、私がこれから書くみたいに、今度はきみが私に教えてね。

な? ロックンロールの神様を信じる、って君も言ってくれ。一緒にそう唱えて欲しい。唱えたら、さあ!
昔「ローザ・ルクセンブルグ」というバンドがあって、それから「ボ・ガンボス」というバンドがあって、そのリーダーが「どんと」という人だった。彼は2000年に急逝してしまって、そうか、今年で彼がいなくなって10年にもなるのか……。それ以来、ボ・ガンボスはどんとさんが抜けて「ボ・ガンボ3」として活動を続けている。私はどんとさんを彼が亡くなって何年もしてから知ったのだけど、ちょうど私がバンドブームの燃え残りを体験している頃……筋肉少女帯が好きだった……どんとさんも同じ渦の中にいたんだな、と思い、それからインターネットで、どんとさんの歌う姿を見たくて、探し集めたり、していた。大槻ケンヂの「リンダリンダラバーソウル」にも、どんとさんのお話が出てきたり、するよね。

急にいなくなったから、というわけではなくて、どんとさんは確かにいまでも「じょうずに死に続けている」人なのよ。上手に生き続けるのがすごく大変なのといっしょで、じょうずに死に続けることってほんとうに難しい。生きているから私たちは「生」の見方でしか物事を捉えられないけれど、ほんとうは死というのも生きるのと同じように続いていくんだと思う。読みかけの本とか、貸りっぱなしの本とか、カードで買ったものの支払とか、そういうのをそのままにして終わってしまうのが死なのだと思っていると大間違いで、死はぜんぜんそこで終わるものではなくて、生き続けるのと同じように、刻々と死の姿を変化させながら、生きることの側面にべったりとはりついて、どこまでもどこまでも続いていく。どんとさんは、10年経ったいまもうまい具合に死に続けていてくれて、時々きらっと彼の輪郭が光ってみえるみたいだ。

でね、だから、楽しかったよ、すごく小さな新代田のライブハウスで、ボ・ガンボ3のライブ。ファンはタンバリンとかを持ってて、それを鳴らしながら踊っていて、余裕があるというか、ほんとに楽しむためにライブを見に来ているんだなあ、って思った。その中にいて、すごく練れたボ・ガンボ3のライブを聞いているの、心地よかった。メンバーのkyonさんが「昨日、どんとが夢に出てきてね」って話もしてた。「絶体絶命」「Candy Candy Blues」もかっこよかったなあ。

ライブ半ばで「もっとブルースが聞きたくないか? ハープが欲しいよなあ?」とヒロトさんが登場! ブラウンの帽子を後ろ前に被っていて、なんかいつもより幼げ。とりあえず「前哨戦」と言う感じで、サニーボーイの曲じゃないかな……ハープを吹きまくりの曲をガツンと! こんだけヒロトさんがハープ吹きまくるの見るのは初めてだ。手を伸ばせば届きそうな距離で! ヒロトさん、ハープ吹きながらニコニコして、曲の途中で「3分クッキング」か何か、適当に吹いたりしてすごく楽しそうだ。ああ、マーシーも大好きだけど、ヒロトさんも好きだよ。マーシーやヒロトさんが自分の曲じゃなくて、他の人の曲をやっているのを聞くのが好きだ。ハープをあやつるヒロトさんの指は、細くて白くて、長かった。

曲が終わって、ヒロトさん、自己紹介もそこそこに突然マイクの前で手を前に伸ばし「お化け~」とおどける。「もう一回!」といわれて「えっもう一回?」やって見せて、何度もやって、挙句に「バカだね、お前ら」。目を瞑って歌い上げる「よーるのー」で始まったボ・ガンボスの「夜のドライブ」、ヒロトさんの歌声、ライブハウスの隅々までキラキラ散っていく。だいじに、だいじに曲を歌っている雰囲気がすごくよく伝わってきた。Dr.TOSH?さんが歌った曲では、ハープとコーラスで参加。それから掛け声で始まった日本語歌詞をつけた「アナーキーインザUK」、あーわーなーびー、あーなーきー! と手を振り上げる。ヒロトさんの歌うピストルズは、めちゃくちゃ楽しい。ただ、どこまでも、楽しい。

それからヒロトさんがギターを持った。ヘッドレスの、白の、フライングVみたいな、面白い形のギター。マイクに向って話すとき、ヒロトさんの指がローコードの「C」を、もうしっかり押さえているのがみえた。
「これからはオマケと思ってください。この曲やるの複雑なんだけど……盛り上がるからって言われたんだけど……昨日も考えたんだけど……でも、その複雑はとりあえず(最前列の人を指さす)お前にやる! 心を無にして歌います!」

で。

「こーーーーのままーーーーーーー!!」

で。

ライブハウス、ビッグバン。

私は目を閉じて一生懸命歌うヒロトさんと、その横でちらちらするkyonさんのリッケンバッカーのギターヘッドばっかりみていた。何だかほんとに不思議だった。もう聞けないと思ってた。ヒロトさんはもうぜったいこの曲は歌わないんじゃないかって。ボ・ガンボ3の人たちの力だと思う。彼らと一緒だから、ヒロトさん、やってくれたんだと思う。普通の誰かが言ったって、きっとあの人、やらないよ。だから、ボ・ガンボ3のメンバーさんたち、それから立派に死に続けて、ヒロトさんの考えまできっと変えてくれたどんとさん、ありがとう。直ぐ前、2列目にいたお兄さん、泣いてた。そうか、こういうときは感動で泣くのか、と思って、ちょっと泣いてみようかと思ったけれど、私は泣けなかった。だって、心の底から楽しかったから! 嬉しかったからね!! ギターソロは、マーシーの弾くのとはもちろんぜんぜん違うんだけど、あったかい丸みのあるソロで、素敵だった。もうすぐ47歳になるヒロトさんが歌う「日曜日よりの使者」を、私はとても好きだと思った。ハイロウズの頃よりも、今の彼がうたうこの曲を、とてもとても好きだと思った。

ヒロトさん、一回退場の後、ライブは続き(「助けて! フラワーマン」すごくかっこよかった!)アンコールで再び「アンコールにはあの人がいないとね!」と呼ばれ、ヒロトさん舞台端からかけてくる! おおお、また一気に後ろからモッシュが!!
歌詞の紙を持ち「できるかなあ」などと不安げに呟くヒロトさん、どんとさんのソロ曲である「おめでとう」を歌い上げる! 言葉をはっきりと区切るように歌い上げるヒロトさん、ゆっくりとリズムに乗って首を動かしたり、体を揺らしたりして、バンドのメンバーたちに目を配っているのがすごくよくわかる。やさしい、ひとなんだ。やさしそう、じゃなくて、ヒロトさんはやさしいひとなんだ。

kyonさんはアンコールのとき、何度も「このライブの思い出を持ち帰ってね!」みたいなことを言ってて、それはヒロトさんがライブでよく言ってた「ロックンロールはお持ち帰りできません!」とは全く逆だけれど、ああ、今夜のライブは持ち帰っていいんだな、って思った。ヒロトさんとボ・ガンボ3のみんなとステージに立って、楽しそうに演奏してて、そういうすごいプレゼントを私はもらえたのだから、大事にしよう。せいいっぱいやさしく、だいじにしよう。ほんとうに、そう思った。

もう、ライブ終わったへんのこととかよく覚えてなくて、わーん、きてよかったーって思いながら、ひとりで電車乗って帰りました。ぎゅっと手を握り締めて、その中のあの夏みたいな熱さを、ぜったい逃すものか、って思いながら、ね。

こんなふうにヒロトさんはいろんな音楽を抱きしめてきたんだろうな。両の手が、まだ、熱いのです。



改めてチケットを見たら、何故だか半券がついたままなのだが。……どうやって入ったんだっけ私……? ゆ、夢? そんな! そんなはずはない! たぶん、昨日のことは「そのまま」「ぜーんぶまるごと」取っとけよ、っていうロックンロールの神様の粋な計らいなんだ……。

コメント

No title

ボ・ガンボ3を知らない、ダメな私だからヒロト運がないんだ。
嫉妬?いやいや、mashimaniaさんを尊敬します。羨ましい。
すっんごーーく羨ましい。

私はパソコンの前でレポート読んで泣いた。
2列目にいたお兄さんと同じ気持ちだ。

2曲だけかと思ったら、歌いまくりではないですか。
アンコールまで出てくるヒロト、レアだ。凄い。

ザ・ハイロウズのライブで「日曜日よりの使者」何回か聴く機会がありましたが、今回のようなシチュエーション、やべぇなぁ。
私の「日曜日よりの使者」エピソードは日曜日に生で聴いた思い出が一番多きいです。その時も泣いたな(笑)

mashimaniaさん、奇跡ってあるんですね。
その思い出、私の分まで大事にして下さい。

No title

お忙しいのにありがとうございました!
鳥肌立ちまくりたおしました!
その場の感動や、ヒロトの心境の勝手な推察から、
読んでるだけでウルッときました。
また別の情緒不安定になってます。
私のところに記事をリンクさせていただきました。
そこにmashimaniaさんがいてくれてよかった。
ROCKの神様に感謝!
本当にありがとうございました。

No title

常駐ヒロトスキーさん・tokageさん
早々に読んで頂いてありがとうございます。先ほど自分で読み直したら、ちょっと訳が分からなくなっている部分がありますね。思い出してポッケからチケット出したら、有り得ないはずの面白い事態が起こっていたので、それも付け足しました。

私は生で「日曜日よりの使者」聞いたの初めてだったんです。良かったです、聞けて。本当に良かったです。

No title

昨日のライブ、朝からレポを探してました。この曲をやったと知っても信じられず、この記事を読んでやっと受け入れられたところです。

私は生のハイロウズを知らず、でも彼らのバンドの中では長らくハイロウズが一番好きでした。(最近はクロマニヨンズが並んでいますが。)日曜日よりの使者は、声が、演奏が、歌全体が、私の体の中心から毛細血管の先の先まで一気に染み渡る曲。昨日やったと知った時は思考に先行して涙が…。何の涙かよくわかりませんが、この曲がどんなに好きかは十分すぎる程わかりました。しかも私、最近ギターを始めて、この曲ばかり練習していたんですよ…。

これきりなのか、またありうるのか、気になるところです。

No title

ammoniteさん
もしかしたらたかが一曲のロックンロールでこんなに一喜一憂している自分がおかしいのではないのかと思っていましたが、案外、アホウは世界に多いようですね。

ああ、でもね、ammoniteさんの気持ち、わかります。ただ聞いてるだけと、その曲を自分の手の中で再現させようとあがくのとはまた違う。そんなときに「日曜日よりの使者」を演奏した、とか言われたら、それは嬉しいんだか悲しいんだかわかんなくなる。冷静に言えば、過去の例から行っても、あの歌をまたヒロトさんがやることはないでしょう。希望的観測としては、それでも、絶対にやらないわけではないことがわかったので、気長に機会を待つのがいいと思う。

私も「日曜日よりの使者」が弾きたくてギターを持ちました。仲間が増えたようですごくうれしい。ammoniteさんのギターはなんですか? もしかして、このブログは少しでもギターを持つきっかけになれたりしたかなあ。

No title

ヒロトはめったなことで自分の信条を曲げることはしない人のように思うけど、それを曲げさせてヒロトを自分の懐に放り込むことができる人が確かにいる。
ブルーハーツを始める前、コーツ時代の歌は歌いたくないといったヒロトに「この歌はいい歌だ、甲本ヒロトの歌だ」と説得したマーシと誰もが望みながら言えなかったことを、一歩も引かずに言いきったボカンボス。甲本ヒロトを動かすことができるのは、この世の真島昌利とあの世のどんとだけなんじゃないかな。
だから、これから頼まれたら過去の歌を歌うヒロトはあまり見たくない気がします。でも、なんかもういっか!という気持ちになってガンガン歌うヒロトもアリかな(笑)。どちらになるか未来はわかりませんが、この一夜は確かに分岐点なのではないかと思います。そんな毎秒が伝説の夜を伝えてくれて、ありがとうございました!

No title

うちのギターはレスポールです。gibsonは手が出ないのでepiphoneです。mashimaniaさんのジョニー君のような素敵な名前をつけてあげようと考えているのですが…まだ思い付きません。

こちらのブログの影響、大ありですよ!もともとやりたいと思っていた気持ちがどんどん加速して、足が楽器屋に向かっていました。私はハープもやっているので、アパートの隣人から苦情が来ないか内心びびってます。
あ、でもRock and Roll Ain't Noise Pollutionですよね!

No title

あんこさん
>甲本ヒロトを動かすことができるのは、この世の真島昌利とあの世のどんとだけなんじゃないかな。
確実に、もうひとりをお忘れのようですね。清志郎さん。ね。

ベンジー……ブランキー・ジェット・シティの浅井健一さんが「なんでヒロトはリンダリンダを歌わないんだろう? 彼しか歌えないいい歌なのに」という趣旨のことを以前、発言していますね。まともに、素直にこう言い切ってくれるミュージシャンも珍しいように思います。いろんな考え方がありますね……。

ammoniteさん
ウフ。素敵。epiphoneのレスポール。私の信じているところでは、穴がないギターはぜんぶ男の子なのですが、ammoniteさんのギターは男の子かな女の子かな。
独学ならば、どうか焦らずにギターと付き合って下さい! 超・初心者レベルから始めると「たいして難しくねえだろ」と思ってたはずのマーシーのギタープレイに尊敬を抱くようになりますよ。いつかセッションしましょう、ammoniteさん。
しかしハープもやっているとは、ひとりクロマニヨンズごっこができそうだ……。

No title

mashimaniaさん
いわきへ行っていたつけか、忙しくてこのサイトへ久しぶりに来てみたら、なんとなんと…、すす凄い!
じたんだ踏んでも、踏んでも踏み足りない。
羨ましい、ずるい、悔しい、等々妬み僻み嫉みの言葉を並べるのが、一番の賛辞かもしれません。だってロックン・ロールだもの。

でも、ライブの様子にもあるように、みんなで音出してワイワイやるのが一番楽しいんでしょうね。

自分もまたロックン・ロールしたくなってきました。mashimaniaさん、いつも心熱くするコメントありがとうございます。

No title

猿の爆撃機さん
羨ましい、ずるい、悔しい、そう言われると、むしろ、なんか安心します。だってそれ、いわきに行ってきた! って猿の爆撃機さんに聞いたときの私の気持ちだもの! これだからロックンロールってやつは、意地悪であいくるしいよなあ。

「アナーキーインザUK」を歌っているときのヒロトさんが余りに楽しそうで、ああ、クロマニヨンズをやろう! ってマーシーと決めたときもやっぱり、この人はこんなふうに歌って「たのしー!」って思ったんだろうな、そうして今でも、こうやって「ぴすとるずごっこ」とかしてるんだろうな、って思いました。

おかげで私も「アナーキーインザUK」を練習中、いつかどこかでギターを抱えたあの人に会えたら、せめてこの曲くらいは一緒にセッションできるように、そんな夢を見ながら、ね。ロックンロールは、ほんとに意地悪で、愛くるしいのであります。

当日代田にいました

改めて、泣きました

いい気持ちです

今年は、良い年だった

6 さま
コメントをありがとうございます。あのライブの興奮には到底かないませんが、このライブレポートによって、6さまの心をもういちど揺さぶることができたなら嬉しいです。

最近、まえにもまして「書き遺す」ということの意味について考えたりします。このレポートを書いておいてよかったです。そして、だから、6さま、コメントを書いてくださったこと、心から感謝いたします。来年もきっといい年ですよ!

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