ハ ウ リ ン キ ャ ッ ツ

 五線譜という名の線路を辿り、きみと奇跡を探しに行こう。

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エロス週間開催中!(M・Mに愛をこめて)



ALL YOU NEED IS EROS」Tシャツのおかげで、誰かさんの「頭ん中満開病」が伝染した挙句、ハウリンキャッツもエロス週間真っ最中。そんなわけで、いつになくえろすな雰囲気の「とある」シリーズを書きました。Tシャツともども、よろしくお願いします。ドライ甲本を宜しくお願いします!

とある聖夜の甲本浩人
とある年始の甲本真島
とある睦月の甲本浩人
とある大寒の甲本真島
とある立春の真島昌利
とある猫の日の甲本真島
とある誕生日の甲本浩人


に続く、第8弾。頼まれてもいないのにこの量産体制。ザクか。ザクなのか。せめてドム。


マルコム・マクラーレンが死んだってね。……へぇ。やっとか。





ほんとうはおおきなこえでさけびたい つらいくるしいいたいさみしい

なんて、下手な短歌を詠んでしまいたくなるくらいに疲れてしまう季節のひとつやふたつ、私にもやっぱり訪れるのだ。
年度末でどうにか収めて、年度始めでまた一から取り掛からなきゃならない仕事の忙しさだけが、その疲れの理由ではない。季節の変わり目だから、いろんな理由で人が去っていったり、もう会えなくなったりして、そういう悲しみだけが疲れの原因ではない。どれかひとつだけが理由で気分が落ち込んでいるとはっきりわかっているのなら、私はもっと冷静に対処できるのに、いま圧し掛かっているのは、もっと大きく、ぼんやりとしたつかみどころのない不安。いつもなら受け流せる「きみは脳天気でいつも楽しそうでいいね」という言葉が、やたらと突き刺さってくる夜。そんなんじゃないのに。いつだって本当は恐いのに。つらいのに寂しいのに切ないのに痛いのに。ぼんやりとした不安は、真綿のようにじわじわと私の心を締め上げてくる。

ねむれない。

ごろりと怠惰に寝返りをうつ。明日は会社はやすみだから眠れなくったっていいけれど、このまま起きているには朝までの距離は目眩がするほど遠すぎる。目の前には、やすらかに寝息を立てている甲本ヒロトの首筋がある。そっと顔を押し付けてみると、あたたかい匂いがした。
喉が渇いているような気がして、そうなるといらつきが治まらない。このごろいつも水が欲しいような感覚がつきまとっている。足りない、と思ってコップになみなみ注ぐくせに、飲みきれなくてシンクに流す。でも、欲しい分だけほんの少しをコップに注ぐことはできない。自分が欲しいのがどのくらいの量かが、よくわからない。
足音を忍ばせてダイニングキッチンにたどり着く。コンタクトレンズを外してしまった裸眼のままだ。かなり目が悪いから、家の中のものの輪郭はみんなぼんやりと薄闇にとろけてしまっている。不安そのものだ。
冷蔵庫からミネラルウォーターを出してコップに注いで、やっぱり飲みきれなくて流してため息をついた。目を伏せて少し考え事をして、それからダイニングのテーブルの下にいるものに気づいた。
真島昌利はお気に入りのラグをテーブルの下に引き込んで、そこをまるで自分の小屋のように使って寝ていた。薄く開いたカーテンから雄弁に語りかけてくる月の光がテーブルの上に溢れて、こぼれて、垂れて、真島昌利の顔に囁きかけるように落ちていた。あんまりきれいで、屈みこんでくちびるを撫でたら、ナイフで切開したみたいに目をあけた。白目が青い。いままで眠っていたのではない。明らかにしっかり意識のある目をしている。
「おきてたの」
三日月みたいに瞳が細くなる。
「……ねむれないの」
私のその言葉の語尾は、真島昌利への疑問とも、自分の状況を説明したのともどっちとも取れる調子で弱弱しく消えていく。不意に寝そべったままだった真島昌利がテーブルの下から這い出してきて、私の手を握ると立ち上がった。ぐいぐい手を引いて、玄関まで来る。むぞうざにブーツに足を突っ込んだので、慌てて静止したら胡散臭そうな目でこっちをじっと見た。こんな格好で外には行けない、と小声で説明すると、部屋に戻ってカーゴパンツとTシャツに着替えてニットキャップを被った。ぼんやり立ったままの私に無言のプレッシャーを投げかけてくる。
「どこいくの」
また三日月みたいに瞳を細くする。チェシャねこに似ている。
わかった、と頷いて、私も着替えた。

そうして、夜の散歩が始まった。

コンタクトレンズを入れてくる暇がなかったので、真島昌利に手を引かれて行く。真夜中の街は思ったよりも明るい。常夜灯と遠く高い月の周りが、目が悪いせいで丸くにじんだように光る。看板も広告もおおきなひらがなしかよめないそんな目でふらふら暗い街をゆく。春の闇は黒と言うより濃い紫の色だ。湿気が多くて、羊羹の中をかきわけて進むように生ぬるい。尖ったものや四角いものの輪郭は全部ぼんやり紫に溶け込んで、世界の全てが丸っこく、柔らかく見えた。踏み出す足の先の地面が泥のように思えて、安心できない。
自信有りげにぐんぐん先を歩く真島昌利にはどんなふうにこの夜が見えているのかなあと思う。どこもかしこも静かで半分死んでいるような春の夜のど真ん中は、なにか知らない生き物が住んでいるようで、すこしこわい。
急に真島昌利が立ち止まったのでその背中に衝突してしまう。肩越しに目を眇めると、いつも散歩で来る公園だった、と思ったが、違うような感じもする。ジャングルジムなんかこの公園にあったっけ。夜の公園は、昼の姿とぜんぜん違う。昼には見えないものが、よく見える。
「……ああ。きれいだねえ」
その公園で、常夜灯より、月よりいちばん明るく見えたのは、いま、まさに満開の桜の花だった。1本だけだけれど、公園全体を包むように腕を伸ばしている。風が吹くと、涙みたいに花びらが闇に散る。木の真下に行って上を向いたら、ぼんやりした視界ぜんぶが桜で、薄いピンク色のパイが何層にも折り重なっているようで、ちょっと美味しそうで、迫ってきそうで美しかった。
真島昌利がとつぜん「ぎゅっ」と音が出そうに後ろから覆いかぶさってきた。いつものように、隙間を残して絡みつくような抱き方じゃなくて、縛り付けてぜったいに離さないような、息苦しいきつい抱きしめ方だった。顔の右横に真島昌利の高い鼻の影がちらちら見えた。桜って、匂いはしないはずなのに、酔うような目眩がして、目を閉じた。

真島昌利に咬みつかれた。

「ちょっ……痛い! マジ痛い! 痛い痛い! やめ! 痛い! なに!?」

真夜中なのに声を上げてしまったが、前に回した手で口を軽くふさがれる。じたばたしてみてもダメだ。耳に咬みついていた真島昌利は軽く息を吐きながら今度は私の肩の辺にがぶりがぶりと食らいつく。気持ちいいとか、妙な気持ちになるというレベルは完全に超えている咬みつき方だ。真剣に噛み千切る気ではないのかと恐怖を抱くほど痛い。真島昌利の前歯や犬歯の一本一本が存在感を持って私の肩や首筋に食い込むのがわかる。かと思うと、冗談みたいに手を解くので、私は前のめりにたたらを踏んで、転ぶのを踏みとどまる。
自由になった手で呆然として咬まれた場所に手をやった。耳と首と肩。血までは出ていないが、真島昌利の唾液が指の先について滑る。ぴりぴり痛い。
振り返ると、桜の下で、真島昌利は声を出さずに、オカしそうに笑っていた。覗いた歯が白々と光る。桜の花よりずっと赤い舌が動いている。
「……酷い」
ぼんやりした目にだって見える。ぼんやりした目の中だからやけにピントが合う。そんなにクスクス、楽しそうに笑って酷い。優しく丸い不安に似ている私の視界の中で、真島昌利の存在だけが尖って悪意に満ちてすごく苦い。
切ないとか寂しいとか、そんな曖昧な感情じゃなくてはっきりとした腹立たしさを感じた。胸の奥にドスンと来る、それは怒りの感情だった。私は憤然と真島昌利に近づくと、物も言わずにそいつの首に噛み付いた。
情けないほど子どもっぽすぎる仕返しだ、呆れるほど動物的すぎるやり方だ。でも、Tシャツの下から戯れに素肌に手を回して抱きしめて、食らいついたあんたの首筋は、実に歯ごたえがあって、生々しくて心地よかった。痛いに決まっているのに、あいつがまたじゃれて私の肩を咬んだ。痛い。頭の芯が痺れるほど痛いけど、桜の下でばかみたいに咬みつき合うのは、なんだか不思議におもしろかった。

噛めば血が出るのは当然だ。
ぼんやりした不安なんて、
噛んで裂いて吸って啜って解いてばらばらに壊して曝してしまえ。
やがて痛みさえ痛みを超えて花のように風に散るだろう。

(……おとなになったら苦くて舌に痛いビールが美味しくなるみたいにさぁ)

(いま感じている痛みが、いつか満開に花咲いて、恍惚に変わったら面白いよねぇ)


明け方近くまであいつと桜の木の下で、真っ当でないことをたくさんした。


夏の子供のように遊びつかれ、ようやく帰ってベッドに倒れこみたいと思っていたら、甲本ヒロトが目を覚ましたところだった。早起きではない。甲本ヒロトは昨日8時ごろから早々に寝ていたのだ。寝たりたのだろう、枕に顔を埋める私にちょっかいを出して、当然のように朝ごはんを要求した。
やっと眠れそうな気がしたのに、今日は休日なのに、と思ったが、放っておくのもかわいそうなので仕方なくダイニングに甲本ヒロトと一緒に行く。真島昌利はテーブルの下からソファに居を移し、いまいましいことに既にぐっすりと眠っている。お気に入りのタオルケットがはだけている。
その寝姿をなんの気もなくちらりと眺めやった甲本ヒロトが目を丸くして、私と真島昌利を交互に見た。キドニービーンズの缶詰を手に取った私をキッチンに残したままで足取り荒く真島昌利に近づいていき、寝こけている真島昌利を引きずり起こすと首筋の辺りを見ている。それから私のほうへ戻ってくると、やっぱり首筋や肩の辺を見つめながら、大げさに後ずさってわなわな震えた。

バレた。

ふたりとも濃すぎる桜の花びらがいくつもいくつも肌の上に散ったような酷い痣だ。ばれるに決まってる。

仲間はずれにしたわけじゃないとか、そこまでえろいことはなにもしていないとか、言い訳をいう暇もないうちに甲本ヒロトは絶望の顔で背を向けて寝室へ駆けて行ってしまった。おろおろして真島昌利を見たが、寝ている。

仕方ないので寝室のドアの前まで戻った。ベッドを見たらとたんに寝てしまいそうだと思ったが、甲本ヒロトをなだめないといけない。でもおかしいな、甲本ヒロトも真島昌利もいままでこんなに嫉妬したり、べたべたすることなかったのに。
急にこの間、あの公園に甲本ヒロトと真島昌利を連れて散歩に行ったとき、顔見知りの人たちと話したなにげない会話がよみがえる。

「……甲本ヒロトと真島昌利は、大丈夫なんですか、発情期は」
「え?」
「甲本ヒロトの飼育の本に書いてありませんでした? 春にけっこう凄いことになるって」
「いや、うちはそんな様子ないですけどね」
「じゃあ、わりと程度の違いがあるんですかねえ、縄張り争いとか、激しくするそうですよ」


発 情 期 ?


縄 張 り 争 い ?


ねむくてぼんやりした頭でそっと寝室のドアを開いた。


甲本ヒロトが全裸にTシャツを履いて仁王立ちの上、満面の笑みで手招きしていた。




春眠暁を覚えずなんて、嘘だ。
まだしばらくの間、私は眠らせてもらえないに違いない。




コメント

No title

甲本ヒロトがかわいそう!
あたしだったら、あたしだったらヒロトの首筋いった時点で終了。
ベッドから出ねーよ。出てたまるかーヒロトーーーーー!!
って思ってたんですよー。後ろから4行目までー。
したら、このザマだw一番エロいんが、ヒロトかよっ。
真島昌利が主役なのに、ずりーよ・・・。

とうとうニアさんの奪い合いが、流血と共に始まったようですね。野獣2匹にニアさん一人・・・心配です。そして、かなりのショックを受けたにもかかわらず驀進するヒロトの精力に苦笑。

もう、「かんのうしょうせつか」という肩書き付けて堂々とやってみたらどうでしょうか??でも登場人物は固定でね☆
家で「とある」読めないかな~~w
なんか最近ダンナさんが、ハウリンキャッツ☆ハウリンキャッツって連発してんだよな。既に読んでるのかな。わははわはは。

No title

とうとうやられましたか。
お宅の真島くんはハードですね…ヒロトくんも目覚めた様で健康的だと思います。ポジティブに考えないと、この時期は大変ですよ。
うちのヒロトはこの時期になるとジェームズ・ブラウンのセックスマシーンをゲロッパゲロッパかけてチラチラ目線を送ってきます。
ちなみに、Tシャツを履くのが面倒になったらしく、最近『ら・裸』です。
お互いに頑張りましょう…。

No title

♪忘れないあなたの白い肩・・・あなたの唇動くスローモーションで・・・♪Too Much Painを久しぶりに聴きたくなりました。
とある発情期の真島昌利、官能的でステキ、ニアちゃん大作ありがとうございました。ただ結局、甲本ヒロトのTシャツ履き生で見てないな・・・満面の笑みで手招きされたい・・・という想いだけがもんもんと。笑
私も眠れないよーーー。

ドライ甲本・・・凸凹のビデオでのマーシーが言ってたね!『怖い甲本をよろしくー』だと、しばらく思ってた、親子で天然だ。
つぎも待ってるよー。

No title

やはり発情期は激しいのですね。
小さな娘がおりますので、
去勢済みのヒロトを探さなければと痛感しました。
ところで、
人と甲本ヒロトと真島昌利は染色体数が同じだと聞いたことがあります。

…完全にR指定じゃないかmashimania君。
人妻くらいしか書き込めてないじゃないか。(人妻でない方も??)
ハウリンキャッツの入口を設置して、
R-18を明記したまえ。
そして、
またチバがチラチラしてるんだが。

No title

またしても仕事中にこっそり読んでます!そして息も絶え絶えです!真っ当でないことって・・・真っ当でないことっていったいどんなことなんですかー!!!私も噛みつかれたい!のしかかられたい!ほんと毎回心底楽しみにしています。今回もすっごく素敵なお話で、もう何回繰り返し読んだか・・。次からも心待ちに待っております。日々の幸せです。・・・うちの真島昌利の発情期はいつなのでしょう。最近いやに私をひっぱたくのが、もう前兆なのでせうか。

No title

こんにちわ。
発情期凄いですね。
甲本ヒロトがもっと凄くなりそうな・・・いや真島昌利もか。。

いやぁ。。最後のヒロトの仁王立ちは衝撃でした。そしてマーシーは発情期でもなんかかわいいなぁ。
ヒロトに仁王立ちで手招きされてみたいと・・・・やばいなぁ。もう。

このシリーズ大好きですよ。本当に・・・

No title

全身ブチさん
甲本ヒロトはおいしいところを全部持って行くのが似合う人なんですよ。奪い合いというか、マーキングしかされてない気がします。

旦那さまは人見知りな方のはずではなかったんですか。なんでハウリンキャッツ☆ハウリンキャッツ言ってんの。そんなカジュアルに☆まで入れて! 旦那さん、もし読んでたら、本当にごめんなさい。悪いのは私じゃなくてあなたの奥さまです。残念ながらかなりの変態です。

常駐ヒロトスキーさん
「セックス・マシーン」……モロにアレ過ぎて、かえって清々しいな。なにもひねってないあたりが、常駐ヒロトスキーさんのところのヒロト君らしくていいですね。Tシャツは着せてー! 誰か来たらどうするのー!

No title

ひろにゃんさん
そういえば「Too Much Pain」もとても官能的で、せつない、夢のような歌ですね。
ヒロトさん好きはみんな「満面の笑みで手招き」に食いついてきやがります。その状況がぱっとイメージできるライブを行っているということが……なんか……うん。

tokageさん
ある意味、怖い染色体数の情報をありがとうございます。えっと、孕む?

私の中では18禁なんて考えもせず「飼い犬に手をかまれる」という諺そのままの教訓に富んだ話のつもりだったのですが……。tokageさんの知ってるチバとか言う人の「かみつきたい」とか言う歌がエロいせいで、何か勘違いされたんですよ。大丈夫ですよ、tokageさんがいくらエロくても、コメント拒否とかしませんよ。

No title

レフュージアさん
息も絶え絶え……確かこないだまで入院されてた方が、息も絶え絶え。きゅ、救急車ー!(再護送)
真っ当でないことは、良くないことの数々ですよ。とても口には出せません。お宅の真島昌利とお楽しみください!

花さん さん
いつも「このシリーズが好き」と言っていただいて嬉しいです。本当は、書いて更新するたびに「今回はまずいだろ」「今回こそまずいだろ」と思っています(笑)
ヒロトさんにはやっぱりカリスマもスター性もあります。物語の中でも彼がジャーン、と最後を〆る姿が似つかわしくて、書いてて楽しかったです。読んで下さった皆さん、ありがとう!

No title

これは・・・・不純異性間交遊ってやつですね

不純異性間交遊ってやつですね

No title

か さん
大事なことだから2回言ったんですね、わかります。

不純異性間交遊ですね。

不純異性間交遊ですね。

でも気持ちは純異性間交遊。

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