ハ ウ リ ン キ ャ ッ ツ

 五線譜という名の線路を辿り、きみと奇跡を探しに行こう。

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御名残四月大歌舞伎第二部(2010/04/27)


実は歌舞伎座の近くで生まれ育ったので、あの独特の風貌の歌舞伎座の建て替えには「時代の波もあるし仕方ないよな」と思いつつもどこかに「惜しいな」と言う気持ちを捨てきれない。それでも現在の歌舞伎座はこれで仕舞いとあいなって、さよなら公演のチケットを取ろうとしたら一般的な正攻法ではぜんぜん取れない。諦めきれずにオークションなどを見ていても、これがまた高騰っぷりがはんぱじゃない。半分以上諦めかけていたんだが、先週になって突然のチャンス到来。人間、諦めたらいかんよ。回ってきたチケットは奇跡のような一階席、定価。しかも、千秋楽前日。というわけで、本日、まだ心の中では「こんな急にチケットが手に入るなんてだまされているんじゃなかろうか」とドキドキしつつ、行ってきたんだぜ、久方ぶりの歌舞伎座。



今回の公演、第一部/第二部/第三部と時間がぎりぎりの入れ替えのせいで、特に雨の本日、歌舞伎座前はすごい人。でも、こんな光景ももう見られなくなるのかもしれないな。色とりどりの傘を見ながら、そんなことを考えて入場待ちの列に並んでいたんだぜ。

学生時代ぶりに入ってみると、やっぱり会場自体が小さいんだ、歌舞伎座。横に広い舞台と花道のせいで、2階3階と席はあるものの、いまだに機能している劇場の中では破格のこじんまりさだろうな。お客さんの入れ替えにだいぶ時間を食ったせいで、やや急いだ始まりだった第2部最初の演目、菅原伝授手習鑑より「寺子屋」。暗転がなくて、劇場が暗くならないで唐突に始まる感じがして新鮮、こういう感じ含めて、歌舞伎だよな。

なにはともあれ役者陣が豪華過ぎてびっくりなのが今回のさよなら歌舞伎。2部最初の「寺子屋」ひとつとっても幸四郎・玉三郎・勘三郎・仁左衛門のそろい踏みだ。ただ、私は本物の歌舞伎ファンではないもので、やっぱりね、寺子屋みたいな愁嘆場で泣かせる悲哀や家族の情愛をテーマにした「これがほんとのザ・歌舞伎!」みたいな演目(寺子屋は簡単に言うと殺されるはずだった主君の息子の代わりに自分の息子を身替わりにして殺しちゃう話だ)よりも、やや明るく気楽に楽しめる話のほうがやっぱり面白いんでね。今回の「寺子屋」、ユーモラスな場面もあったものの、幸四郎さんの松王丸は私にはやや演技過多に思えたし、玉三郎さんという女形は子供を殺されたことを察していてそれを顔に出さないおかみさんよりも、この世ならぬ美しい遊女とか、あるいは逆にこの世ならぬ女の妖怪とか、そういう役のほうがあってるように思えてしまうんだな。

で、だから、面白かったのは「こいつは春から縁起がいいわえ」の台詞で有名な「三人吉三巴白浪」ですね。私はこの演目が好きなんだね。前に観たのは若手のやった歌舞伎で……3人の主役のひとり「お嬢吉三」が七之助くんとかだった気がするんだよな……だから初々しくてかわいい吉三だな、という印象だったのですが、今回ベテラン中のベテラン菊五郎さんのやったお嬢吉三は仇っぽくて、酸いも甘いも噛みわけてなお可愛さを残した女性(ほんとは男性だけど)というふうで、素敵。またちゃっかりと兄貴分のいいところをかっさらっていく和尚吉三の団十郎、息子の海老蔵もそうだけどなんて舞台映えするお顔立ちなの! 表情がはっきり見えたわ。すごいわ。
男性が女装して、本物の女に見えることが素晴らしいとされる歌舞伎の世界の演目で、この「三人吉三巴白浪」のお嬢吉三は女装した男性、という設定で、これってそうとう倒錯しているんじゃないかと思う。その倒錯、物語に漂う退廃ぶりが、私がこの演目を愛する理由の一つなんだけどね。江戸時代の腐女子が「あの女形にわざと女装の麗人を演じさせてあっちの男役と絡ませたいの~」とか言ったあげくに物語ができたのじゃないかという疑いを捨てきれない。
明日千秋楽を控えて「こいつは春から~」で終わるあの七五調の名台詞が始まったとき、菊五郎さんに「名調子!」という掛け声がかかって面白かったです。

さて最後の演目はお馴染み「藤娘」。名前に藤の字を頂く藤十郎さんの舞踊です。この舞台が始まる前は暗転してね、ばっとライトが全部ついたら、舞台の上に一面、藤の花のセットが。お客さんからも歓声とため息がこぼれておりました。
名優藤十郎の「藤娘」、絢爛豪華な衣装早変わりを2度3度と重ねての美しい舞踊、ほんとうに日本人形が舞っているよう。藤の花の陰からのぞく媚を含んだ白い顔のうっとりと美しいこと。どんどん可愛く、どんどんこの藤娘に心を惹かれていくから不思議です。

歌舞伎座さよなら公演も明日で千秋楽。行くことが出来て本当に良かった。バイバイ、と小さく手を振って、これを機会にもう少し歌舞伎に親しもうと思いました。

コメント

No title

これはまたなんと素敵な・・・。羨ましくて、袖をかんでしまいましたわ。三人吉三、倒錯的ですよね!?ちょっとドキドキしちゃいますよね!?私もすきです・・・。歌舞伎好きになってから、やっぱり歌舞伎座は憧れでしたので、ホント羨ましいなあ。玉三郎さんは、怖いくらい美しい役がにあいますね。毎月読んでる演劇界で見るたび真似してみたいような・・絶対無理!のような・・。あーそれにしても羨ましいな・・。羨ましいな・・・。

No title

レフュージアさんはロックンロールに歌舞伎、ギターと、お話しできることがたくさんあって嬉しいです!
近くに住んでいるとなかなか演劇や歌舞伎を鑑賞しに行ったりしないものなんですよね。もったいないことをしたと、いまではそう思っています。
玉三郎さんは、昔、それこそ歌舞伎座で「かさね」の怖い女幽霊をやっているのを観たことがあります。あれは美しかった。フッと上げる手の形や、見返った横顔が見事に決まっていて、女性以上に女性です。真似……というか、見習いたいものですよね。

No title

わ、私もうれしいですっ★ありがとうございます。
かさねは妖艶で幽玄で怖いけどすきです。美しすぎるものって怖いんだなと思った記憶があります。高校の時、見習おうと思って学校に赤いアイラインひいていったんですよ・・・。よくみるとみんな目が赤だし、とか思って。みんなからスケロクというあだ名をつけられました・・・。授業でみたんです・・。助六縁江戸桜・・・。かなしい記憶の一頁です・・・。

No title

「かさね」妖艶で幽玄で……の中に、哀れさ愛しさも感じさせるのですもの。歌舞伎というのは凄い芝居ですね。
見習おうと思って選択したのが「赤いアイライン」って。ちょっといろいろ間違っちゃった感じがアレです★そして、ナイスなあだ名をつけた周りのみんなもいい奴らだと思う!

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