ハ ウ リ ン キ ャ ッ ツ

 五線譜という名の線路を辿り、きみと奇跡を探しに行こう。

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テンガロンハット/トカゲ/バースディ(三題噺を書いたよ)


とりあえず、誰かの誕生日っていうのはさ、それを理由にみんなで騒げていいじゃない?

今日、ちょいちょいこのブログをディスってくることで有名なtokageさんの誕生日らしいんですよ。tokageさんはつい最近、自分と誕生日が1日違いで、大好きなウルフルケイスケさんの誕生日に、自作のテンガロンハットを送って「ケーヤン(ウルフルケイスケさんの愛称らしい)より先にトータスに見られたら困る!」とか言っているイタい人なんです。いや、自作のテンガロンハットはいいと思うんですよ、写真見ているとすごくかわいいし(私は「ケーヤンて人はいつもテンガロンハットなんですか。萩原流行ですか」と聞いて、不興をかいましたが)。でも、なんだよ「トータスに見られたら困るぅ~」って、そのぶっ飛んだ妄想は。

で、面白いから三題噺を書いた。
「テンガロンハット/トカゲ/バースディ」
この3つの言葉を軸にtokage主人公の物語を作ってみたぜ!! でも、なんか他にもいろいろ、出演者が多いから、よかったら「内輪ウケ」とか思わずにみんなで楽しんでってくれ。いつもディスってくれるtokageさんに捧げます。ちゅっ。

こないだ「誕生日おめでとう」の手紙と一緒に上の写真のチケットを送りつけたらtokageさんがこのチケットについて、こんなことを言っていた

「整理番号ないけどいいのかな?
 1ドリンク500円?
 ロッカーはある?
 トイレ何個?
 音はいいの?
 ステージは高い?
 フロアはフラットなの?
 わくわくするぜ!」

質問に答えよう。このチケットで行けるのは、

「整理番号はないけどコードナンバーがある。
 1ドリンクは20roccaくらいかな(貨幣単位からして違う)。
 ロッカーはないけどrockerがたくさんいる。
 迸るものはトイレじゃなくてもぶちまけろ!
 音は抜群! 死人が出るほどだ。
 ステージは荒野だ。
 フロアはフラットすぎて地平線が見えるぜ!」

そういう物語世界なんだ。

ヘイ、ディア、わくわくするだろ?


決闘とか砂漠とかずいぶんな西部劇じゃないか、テンガロン・ハットからの安易な連想か? と言ってくれるな。この世界では銃の代わりがギターやベースなどの楽器、ロックンロールで人を殺せて、見たことあるようなあの一派やあの一門がしのぎを削る、ハードボイルド・ワンダーランドさ。

あの荒野が僕たちのライブハウスだ。 



(凹子とはぐれた……でも、たぶんあいつはだいじょうぶ)
荒い息を必死で押し殺しながら、「2丁使い」と異名を取ったコードネーム・524は岩陰に張りつく。にらみ合いが長引けば長引くほど、強い太陽の光が確実に体力を奪って行くのがわかる。
(敵の姿さえまだ捉えられずにいるなんて、相手は久しぶりの手練だ)
汗まみれの手で、そっと武器であるテレキャスターを構えた。普段の彼女の武器は、地面めがけて撃ち抜き、その重い爆発で多くの人間を倒すのに最適なベースギターだ。でも、狙い澄ました相手を一撃必殺できる武器であるギター、テレキャスターも扱いこなす。つけられたあだ名が「2丁使いのガンスリンガー・レディ」だった。とある所以で「バースディ一派」という自分の誕生日をコードネームに使う殺し屋の集団に入って、もうだいぶ経つ。
今回、バースディ一派から「始末しろ」と命じられた相手は、最近になって仲間に加わったらしい、コードネーム「523」と呼ばれる男だった。コードネーム、つまり生まれた日が自分と一日違いなので……あるいはそれ以外の胸痛む理由で……この日付を彼女はよく覚えている。523に会ったことはないが、かなりのギター使いということだった。笑顔にさえ見えるほどの余裕の顔をして、息の根を止める弾丸をぶっ放すから気をつけろ、と聞いていた。何をして仲間から追われるようになったのかは、知らない。聴きたくもない。

威嚇のつもりで、Dのコードを撃った。こちらの居場所を捕捉されないように、急いで別の岩陰に転がり込む。いま彼女が使っている武器は安いテレキャスターだったが、実によく働いてくれる。まだテレキャスターを持つようになってから日は経たないものの、既にいくつの命を奪ったか、彼女は数えていない。威嚇射撃にまるでおびえもせずに、相手はこの荒野のどこかで524を狙っている。その気配だけが、熱い風と共に、ひしひしと524の頬を撃つ。
(……しぬかもしれない、今度こそ)
そう思うと、逆に片頬に笑みがわいた。相手の顔も良く知らずにこうした決闘に遣られるこんな時代では、どれだけ生き伸びても、けっきょく死んでいるも同然だ。ずっとそう思っていた。アイツに裏切られてからは。テンガロン・ハットのあいつ。自暴自棄になったところをバースディ一派に拾われ、また、たまたま天然無心流達人の凹子とコンビを組んだりしたから、運よくいままで生き残ってこられたけれど。
(しんだっていいさ……アタイなんか)

目をつぶって息を整え、開いたそのとき、向こうの岩陰の端でかすかに動いたものをとらえ、524は感情より先にFのコードをその標的めがけて放っていた。どんな自嘲よりも体が正直に動くのは、まだまだ「生」に未練が残っていたということなのだろう。汗で滑って、テレキャスターの1弦を押さえきれない。音の弾丸は、そのせいでやや逸れた。テレキャスターの撃ちだす弾丸は、火炎放射にも似たレスポールやムスタングといった武器に比べれば、レーザービームに似て軽めだが、それでも放てば腕にずんと衝撃が戻ってくる。おそらく弾丸が逸れたのが幸いだったというべきなのだろう、予測不可能な軌跡をたどった轟音のFが、ついに敵を捉えたのを見た。スローモーションで閃き、青すぎる空に舞い上がったモノに、524は驚愕する。

それは、愛する男にはるか過去、524が送ったテンガロン・ハットだった。彼女自身がその手でつけてやった彼の愛器のかたちをしたブローチが風に舞い、光って揺れていた。

例えばこれが相手の罠だったら。
殺し屋として、いつもならまず頭によぎるそんなことを忘れ、524は岩陰からの一歩を踏み出していた。いくら距離があっても、見間違えようはずはない。いま、自分のFが命中して空に舞ったあのテンガロン・ハットは、

「ケーヤン……?!」

敵がいる、とばかり思っていたその岩陰にいたのは、かつて、いや、いまも彼女の愛している男だった。524の弾丸はテンガロンとともに彼のこめかみをかすったらしい、命に心配はないだろうが出血がひどく、自分の武器である朱色のストラトキャスターを抱え込んだまま、彼はそこにうずくまっていた。

「……よぅ」

顔をくしゃくしゃにして笑った。胸が痛くなるような、昔と同じ笑顔だった。
アタイはこいつのことなんて、もうとっくの昔に忘れたはずなのに、と524は思う。どうして、いまでもこうして顔を見たら、あのときなぜ自分を裏切ったのだ、とか、なぜこんなところにとつぜん現れるのだ、とか、女の愚痴を言いたくなってしまうのだろう? それだけじゃない、あの思い出のテンガロンをいまもかぶっているこということは、いまでも……いまでもアタイのことを? いや、まさか、そんなことは聞けるはずがない。

はじめて罠かもしれないと思い当たり、524ははっとしてテレキャスターを構えた。そんな様子に、彼はまた人懐こく笑う。こっちにゆっくり手を伸ばし、524には理解しがたい言葉を吐いた。

「会いたかった」

腕をあげたな、とそう言った。
昔、お前から逃げたのは、お前をこんなにも愛することが怖かったのだ、と。まるで愛想のないお前からテンガロン・ハットなんてプレゼントをもらって、俺はどうすればいいのかわからなかった。でも、こうして長い旅をしても、テンガロン・ハットをくれたときのお前のことが、どうしても頭から離れなかったのだ。お前のいるバースディ一派に入らないかと誘われたことを逆手に、どうにかしてお前に会おうと決めた。

「……ばかやろう。いま、アタイは、一派のうらぎりものとしてあんたを殺すところだったんだぞ」
「オマエになら殺されても本望や」

ふたりの距離はじりじりと近づいている。どうしようもなく、息が速くなる。足元にざっと赤い砂を巻き上げる風が吹いていた。彼は、また、笑った。胸が痛くなるほど、まるであのときと同じように、笑った。

「誕生日やろ、今日。おめでと」
「なんで覚えて……」
「コードナンバー、524、やん。おれと1日違いや」

そう。
だから、まさかと思ったのさ。そして、この仕事を受けようと思ったのさ。
コードナンバー523。
アンタのはずがないって。
……アンタ以外の523の男なんか、みんなぶっ殺してしまおうって。

と、はきだす言葉よりも先に体が動いた。足もとの地面を思い切り蹴って、彼の腕の中に飛び込んでいた。飛び込んでいったのは、さっきのように弾丸ではない。524自身と、あふれ出る涙だった。お互いの武器がぶつかり合い、騒々しい音を立てる。砂まみれで、薄汚れて、だが、幸福だった。
この男が好きだったから、殺し屋稼業に手を染めた。この男が好きだったから、柄になくテンガロン・ハットなどをプレゼントした。この男が好きだったから、死ねなかった。自分の前から「修行してくる」と訳のわからないことを呟いて消え去ったこの男にもう一度会うまでは、どうしても死ねなかった。

「524」

愛した男に、しずかにささやかれた。

「524なんて、そんな無機質な数字で呼ばれる女やないで、オマエは」
男の指が彼女のシャツの袖をまくりあげる。そこには、いまでも色鮮やかなトカゲの刺青が咲いていた。むかし、彼が呼んでいた彼女の名前、彼以外には絶対呼ばれないように捨てた名前を、いままた、彼は呼んだ。
「トカゲ。逃げようや、一緒に。おれと生きてくれ。一緒に生きてくれ」

ほんとうに、ほんとうなのかと聞き返すのは野暮だった。
風にあおられたあのテンガロン・ハットが、ゆっくりと空を回って戻り、ふわりとふたりの間に落ちてきて、束の間ケーヤンとトカゲは顔を見合わせ、そして思い切り、笑った。


「バースディ一派/コードナンバー523・524……砂漠の決闘にて両者失踪 相打ちか」



……「tokage」と「笑うギター遣い」と呼ばれる2人組の「始末屋」が世間を騒がし、バースディ一派の元締めである「酔いどれ悪魔/媚毒遣いのチバ」(コードナンバーは710)と呼ばれる男との一騎討ちが歴史となるのはこののちの話であり、

つまりこのとき砂漠から逃げのびた「天然無心流筆頭・凹子」が「マーシーは神です」「リヤルに恋人にするなら竹安がいいとです」「旦那さんにするならケーヤンがいいとです」などと天然無心流故の必殺剣を武器に暗躍、世界を混乱に陥れ、「3年戦争」とまで呼ばれた滅亡のドキュメントに導くのはさらに先の話であり、

ゆえに世界の混乱に乗じて現れた、世紀の秘宝「サマータイム」を追う海賊船の船長である「邪眼の妖精/ブルースキラーのマーシー」に憧れてやまない「瘋癲の盗賊猫・ニア」とその一賊の活躍がこの物語に描かれるのは、まだまだずっと未来のこととなる。

コメント

No title

|ω・`)ノ |Ю カチャ
ここでいいんでしょうか?
あ、はい、さっき両替してroccaは持ってます。
会場、広いですね。
赤茶けた地平線とサボテンとカサカサ風に吹かれて転げ回るタンブル・ウィード。
息をするだけで喉が渇きます。
あ、ドリンクはHeinekenでお願いします。
始まるんですね…………ああ!!ああああああ!!!!!リボルバー・ジャンキーズだ!

ディスろうと思ったけど、
こんな、マーシーのためのmashimaniaさんによるクロマニヨンズファンのサイトに、
ケーヤンやらチバやら、私やらを連れ込んでしまうことになってしまって恐縮です。
でもでも、ありがとう!生きていてよかった!まいどハッピーです!
トカゲgallery本館に挿絵を描きました。
しかし、君!チバの誕生日をとうとう覚えてしまったやないか!あ、ディスっちゃった。

No title

ガチャリ‥…
「ごめんなさい!また、博多時間をやってしまいました~!」(>_<)

あれ、ここは日本じゃない!博多でもない!
こんなに大きな太陽が昇るの見たことない…。
そっか、今日はそんな、大きな誰かの始まりの日。

地平線の向こうから風に乗って爆音が聴こえてきたよ。
遠くじゃないね。ニアちゃん達の笑ってるのがはっきり見えるよ。

ニアちゃん、Birthday Party!に招待してくれて
私まで出演させてくれるなんて!本当にありがとう!!!
この物語、最高に幸せをもらいました☆

この場を借りて、姐さん、お誕生日おめでとうございましゅ!

No title

《 荒野はるかに 》がBGMで脳内駆け巡りました。
かっこいい話だな・・・ちくしょう。

tokageさん、お誕生日おめでとうございます!!

No title

こんにちは。

にあさん、なんてお話を書くのか
上手いのでしょうか……
すごくかっこよくて引き込まれました。
なんというかもう……
登場人物といい世界観といい
魅力的すぎて素敵すぎます!

No title

tokageさん、お誕生日おめでとうございます。

『会いたかった』で、キュン!
『殺されても本望や』でズキュン!
やられちゃいました。
「瘋癲の盗賊猫・ニア」活躍する続編をワクワク待ちます。

No title

tokageさん&凹子さん
荒野のバースディ・パーティへようこそ! tokageさんが素敵な挿絵を書いてくれたので、拉致しました。すっかり楽しくなってしまったので、凹子ちゃんバージョンも書いてみたいぜ……。

常駐ヒロトスキーくん&凛華さん
私にとっては「かっこいい」が何よりの褒め言葉です。かっこよかった? ありがとう! 読んでくれて嬉しいよ! 

ひろにゃんさん
「瘋癲の盗賊猫・ニア」編では、きっとひろにゃんさんやボーイズによく似たキャラが疾風怒濤で駆け回ること間違いなしだね! 

No title

☆★tokageさんハピバースデー☆★
近頃はニアさん/バンビさん/トカゲさんの三大トライアングルを一日に何往復もしております。
お宅のスーパー可愛いモモちゃんくださいw

ニアさんの引き出しの多さに脱帽...。
どんなものでも書けるのですね。何でも撮れるイーストウッドみたいじゃないですか!?

No title

|ω・`)ノ |Ю そろ~
もう一回来た方がいいでしょうか。
常駐ヒロトスキーさん、ひろにゃんさん、全身ブチさん、凹子、
そして、masimaniaさんありがとうございました。
凛華さんこんにちは。ご存知でしょうが、私とかっこよさは関係ないです。masimaniaさんの手腕です。
全身ブチさんお越しいただいているのですね。ありがとうございます。モモの件は私だけでは決められないので、ちょっと保留させて下さい(^_^;
ほなまた、自分とこに戻りますわ。
またね。

No title

全身ブチさん
tokageさんとbambiさんの中に混ぜてもらえて大変に光栄です。爬虫類とか哺乳類とか、バラエティ豊かでいいですね!
人が死ぬ小説がにがてなんですよ。だからイーストウッドみたいにシリアスなドラマは書けないの~(´・ω・`)

tokageさん
どうぞ何度でもいらして下さい。ご覧のとおり、場所余ってるし……。また騒々しく遊んだり、ディスり合ったりしましょうね! またね!

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