ハ ウ リ ン キ ャ ッ ツ

 五線譜という名の線路を辿り、きみと奇跡を探しに行こう。

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映画「ストーンズ・イン・エグザイル」-ロックンロールは子供のものか?-


ロックンロールは子供のものだ、と言える時代はもう終わっちゃったのかもしれない。だって、ヒロトさんやマーシーも含めて、ロックンロールをやっている人たちはどんどん年をとっている。自分たちと同じくらいの年の若者が、等身大の叫びを歌にして放つことイコールロックンロール、というのは、あの輝けるパンクロック全盛期でそのほとんどが終わりを告げてしまったのじゃないかな。
ということは、現在のロックンロールは「燃えカス」か。いや、そんなこともない。ミック・ジャガーは昔と同じように腰を振っているし、こいつ、21世紀にはもういねえんだろうなあと思ってたキース・リチャーズだってまだぴんぴんしている。昔に比べて、ロックンロールはほんとうに息が長くなった。ロックスターたちはちゃんと生き続けてくれるようになった。

そういう風に、くたばりそうでなかなかしぶといローリング・ストーンズのいちばん最近の映画が「ストーンズ・イン・エグザイル」だ。「メインストリートのならず者」というアルバムを彼らが作っていた頃の生活を、当時の映像や一緒に仕事をしていた人たちの証言を含めて振り返る内容。たった1時間ほどの映画だけれど、やっぱりでかい音でストーンズの音楽が流れれば、血沸き肉踊る、あっけなく、そういう気持ちにさせられるんだ。

私がふらりとこの映画を見に行ったのが平日だったせいもあるけれど、この映画をスクリーンで見ようって映画館に集っていた人たちは、私よりも年上の人が8割以上だった、と思う。明らかに年下だろう、っていう人はいなかった。
ということは、いまやロックンロールは子供だけのものじゃない。でも、それは明らかに大人のものではない。大人がロックンロールを手にすると、すぐに金儲けをしたがる。ロックンロールはそういうことにはいちばん向かない音楽だ。だから、ロックンロールは大人のものになっちゃいけない。だいたい、マリファナや大量のアルコールをたしなみ、地下室で毎晩はた迷惑な音楽をやっていた時代といまだにほとんど同じように転がり続けているあの人たちが、たとえば「大人」なのかどうかなんて、そんなの、問いかけるまでもないんじゃないかな。

私の周りにはいい年こいてロックンロールを聴いて馬鹿騒ぎしている人が多くて、時々呆れる。そして、ああ、この人たちほんとうにいつまでもロックンロールが好きなんだよなあ、と思う。ふと気付くと自分もその仲間入りをしている。いつになったらこんなふうにロックンロールで心が震えるような感覚は止むのだろう、それこそ「大人」になったら止むのだろうか、と思ってたけれど、私の心の震えがやむ気配はない。きっと、ずっと止まないのだと思う。もう鳴り止ませる方法すらわからない。
ロックンロールは子供のものだから、なんてかっこうつけてガキどもにいい場所を譲ってられないくらいには、私はいまでもがむしゃらにロックンロールが好きなんだと思う。ビートルズを聴いて「これはなんだ。いままでこんな音楽は聴いたことがない」と思って、友達にカセットテープを借りた12歳のあのときから、私も、結局何も変わっていない。

ロックンロールは子供のためのものだ。そして、子供の心を持った大人のためのものなのだ。

私はロックンロールにそういうことを望みたい。ほんとうは、ロックンロールは子供のためのものだと思う、でも、あんないいものを子供だけのためにしておくには惜しい。かつて子供であった大人たちのためにも、ロックンロールはよく効く。ほんとうによく効く。

ロックンロールがもともと子供のためのものだ、とことさらに言われたのは、たぶん子供たちが大人になることを望まなかったからだ、と私は思う。大人なんて汚い。大人なんて、なったって何の意味がある。面倒くさい、つまらない。とことん反抗してやろう。髪を染めて、革ジャンを着て、大人の嫌がることをたくさんしよう。そういう思いやしらけた衝動をぶちこんだ歌が、ロックンロールだった。ブルーハーツだって、初期はそういう歌をたくさん歌ってた。

でも、いま、そういう歌を歌ってた彼ら自身だってずいぶん年をとった。ロックンロールもまた、年を取っていい大人になったのだ。大人として社会的責任を「確かにめんどくさいよなー」とかいいながら果たし、税金もちゃんと納めて、その足で私はライブハウスに向かう。大人になってから、子供に返るのは本当に楽しい。いろいろ不自由な子供のまんまでいるよりも、大人になってから子供に返るほうがずっと楽しい。中学生くらいのとき、大人になんかなりたくないって変に突っ張っていた自分に教えてあげたい。大人になってからのほうが、ずいぶん楽しい生活をきみは送れるんだから、そんなに心配するなよ、って。あの頃の私は、いまの私を見て何と言うだろう。かっこいい、って、早く大人になりたい、って、そう言ってくれるかな。
そして、今これを読んでいる君が、もしも鬱屈して何もかもがつまらない10代や20代前半だったら、言ってやりたい。君の過ごしている日々は、たぶんすごくつまらないだろうね。君は生きているだけで恥ずかしい。ぜんぜんかっこよくない。美しくない。でも、そんな時代の先にこそ、面白いことはたくさんある。ロックンロールを捨て切れないままで大人になってみてごらんよ。

そうだよ、この世にはつまんない大人が多すぎるんだ。だから、子供がどんどんしらけてしまう。ミックやキース、ヒロトさんやマーシーみたいに、みんなに憧れられて「あんなふうになりたい」って思える大人がもっともっと増えたら、ロックンロールの今後だって安泰じゃないか。昔のストーンズは確かに格好いいけれど、いまのキースの皺が私は好きだ。ミックの昔を懐かしむあの声が、私は好きだ。
私はいまでも思うんだよ、ヒロトさんやマーシーのように年を取ろうって。あんなふうになろう、って。子供の心を持った大人たちというのは、なにも「子供っぽくて問題なひと」というわけじゃなくて、成長することをやめずに、今よりももっともっとかっこよくなりたいって思ってる人たちなのかもしれない。そして、私は自分よりも下の世代から、出来ればそう思われていたい。あんなふうになれるなら、大人も悪くはないな、って。あんなふうになれるならいいなって、羨ましがられ悔しがられる「大人」でありたい。

子供たちよ、大人になることはそう難しくはない。でも、かっこ良く生きることは難しい。それでも私は格好よく生きたい。君が私を見たときまっすぐに立っていられるように、こんなふうになりたいと思える大人でありたい。ミックやキースのように、あの年齢になったときに苦笑交じりに私は私の「メインストリートのならず者」の時代を思い出したい。

ヘイ、10代や20代の諸君!
私は君に少しでも「こんなふうになれたらいい」なんて思わせることができていますか? 


ロックンロールは丸ごと嘘の塊さ。
でも、世界でいちばん美しい嘘だよ。

コメント

No title

こんにちは。
今回の記事、まるで「ニアさんのようなロックンローラーになりたい」と思っていたあたしの気持ちを読み取られたようでびっくりでした。
ニアさんはとてもとてもかっこいいです。

つまらない大人も多いけれど、いかした大人たちもいるってこと覚えておきます。

No title

17歳の私は、ロックンロールに出会ってから大人も悪くないと思えました

昔嫌だった音楽が好きになったり、離れた楽器に近づいたり…こういう経験を大人になってもしたいな。

そして、10歳の私なら今の自分をありえねーと笑うだろう。何聴いてんだ?!と。
私が25歳になった時、きっと今の私を笑うだろう。あまりの無知さにね。
でも、そんな風に成長していきたいな。

No title

凛華さん
やあやあ。mashimaniaです(君のブログ好きだよ)
半分以上、はったりで生きている私だけれど、それでも凛華さんのような子に「かっこいい」と言われるとやっぱりとっても嬉しいよ。凛華さんの言うとおり、この世にはいかした大人も多いです。それを知ってると、大人になるのはちっとも怖くなんてないな。

花さん さん
ロックンロールで大人が遊ぶ、という傾向も最近はより強く出てきましたね。年をとると理解できる物事というのも確かにあります。そういうのが多い人生がいいですね。

10歳のときの自分を覚えているなんて……! 私はボーっとした子供で、何も考えていなかったので、10歳くらいまでの記憶がほとんどありません。

No title

こんばんは。
一号二号はもちろん、すっかり大人の私にとっても、にあさんはロックンロールで遊ぶかっこいい大人です。憧れです。
17の夏に永ちゃんのバイバイサンキューガールとQUEENのbicycle raceを聴いていたのをよく覚えていて不思議とその二曲だけ鮮明。
無意識にロックンロールと出会っていたのな?

今日は一号とは『いかすぜOK』と『夏なんだな』について熱く語って、二号からよばれてベランダに出たらきれいな夕日で、思わず二人で夕暮れ歌ったよ。笑
ロックンロールないい一日でした。笑
ヒロトやマーシーや斉藤和義、KISSやキースがかっこいいと言っているから、きっとカッコいい大人になりつつあると信じたいです。

あれっ?夏休みの日記みたいになっちゃった。失礼しました。

No title

ひろにゃんさん&1号2号くん
私はひろにゃんさんのようにボーイズと一緒にライブに参戦できる環境、というのがいいなあ、と思うので、お互いに憧れ合っているいい関係ということですね!

「いかすぜOK」と「夏なんだな」について語る1号……「夕暮れ」を歌う2号。ああ、おれ、そこに一緒にいたかったよ! ロックンロールな素敵な日だよ!
ロックンロールというのは、何も特別なことなのではなく、ひろにゃんさんちのように、普通の、何でもないときにもちゃんとあるものなのかもしれませんね。

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