ハ ウ リ ン キ ャ ッ ツ

 五線譜という名の線路を辿り、きみと奇跡を探しに行こう。

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舞台「ロックンロール」2010/08/20

久しぶりに本格的な演劇を観に行きましたよ。その名も「ロックンロール」。キャッチコピーは「ロックは世界を変えられるのか?!」。この宣伝文句からして、ロックンロールというものに首まで……とは僭越すぎて言わないが、まあ片足くらいまでは浸かっている我々としたら「本気」か「冗談」なのか戸惑うところじゃないですか。
これがね、まさかの「本気」だったんですよ。大真面目。冗談よりたちが悪いだろうよ。いや、私だって例えばいまどき本気で「ロックは世界を変えられるのか」なんて大げさな宣伝文句を打ったとしても、それがほんとうに大真面目で、出演者全員が説得力ある演技をしてくれたのだとしたら、もっと感動すると思うのさ。だけどね……うん、これは、政治とロックンロールを絡めた(作者であるトム・ストッパードのお得意と言えばお得意なんだろうけれど)ちょっと難しすぎる題材を扱ったストレート・プレイだし、出演者がこの話の背景であるプラハの春やチェコスロバキアの状況についてきちんと勉強して、それぞれの登場人物に関して全員が思いを巡らせたり、思考を深めたとはとても思えない。
ゆえに、込み入った難しい話である分、台詞や登場人物たちの思想は上滑りし……おまけに、舞台を彩るロックンロールはもちろん英語だから、ロックンロールに理解の浅い日本では余計に意味が取りにくい。シーンによって選ばれていたボブ・ディラン、ローリングストーンズ、ヴェルヴェット・リボルバー、U2などの曲にはそれぞれそのシーンに流されるだけの意味があったと思うんだけど、これも知らないと全くわからないしなあ。日本人がこれを演じるとしたら、欧米で演じるより2倍の勉強が必要だろうし、それと同じように、観に行く側も2倍の勉強をして観に行かないといけないだろうなあ。

だいたい、トム・ストッパードの作品は台詞回しが難解なうえに衒学的で、日本語に直すと余計に意味を取りづらいんだよ! なんだか縁があってよくトム・ストッパードの作品を観に行くことになるんだけども! 特に好きなタイプの作者じゃないんだよ! しかし「ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ」は面白かったな。

「ロックンロール」、物語はチェコとケンブリッジを行き来します。1968年の『プラハの春』から始まり、1990年にチェコで行われたローリングストーンズのコンサート(これは画期的なことで、ロックンロール=民衆の自由への希求の象徴、が圧政に勝利した! と言われたほどだったんだそうです)までの時期を、マルクス主義を唱えるケンブリッジ大学教授(市村正親)とチェコから来たロックンロール好きの学生ヤン(武田真冶)の2人を軸に、ロックンロールが社会主義とチェコの民主化に与えた影響を描こうとしている……という理解でよろしいのかな。ほーら、難しそうでしょう。ロックンロールというのは政治とか歴史が絡む場合、あくまで象徴(幻)程度にしておくほうがいいと思うんだけど、この芝居、全面に出しちゃってるからなあ。かといってロックンロールの幻である側面を強く打ち出した「むやみに楽しい」「面白い」芝居かっていうとぜんぜんそういうわけにはいかないしなあ。

特に今回、トム・ストッパードの個人的な生い立ち(お父さんがチェコ人だそうだ)が絡んでいるのか、ややストーリーも偏ってる気がするんだよな。でも、まあ、たぶん脚本自体はそんなに悪いものではないんだと思う。ただ日本でやるには無理があるということなんだろうなあ。ロックンロールが浸透してないし、世界の歴史にうと過ぎる。これはもちろん、私も含めての反省だけれど。

ただ、ロックンロール好きとしては、それぞれの困難な人生をまさに転がる石のように送りつつ、数年にいちど邂逅する教授とその教え子の物語にぴったり寄り添うようにして、関係ないように流れるシド・バレット(ピンク・フロイドの初代リーダー。この劇中に役としては出てこないが、ところどころで彼の人生について語られるシーンがある)の行方がちょっと泣かせてくれるもうひとつの「おとぎ話」になっている。ロックンロールも病むし、老いるからな。誰かが面倒を見ないといけない。そういう時期に差し掛かっていることを、トム・ストッパードは皮肉っているのか悲しんでいるのか。ともかくトム・ストッパード自身がロックンロールがすごい好きなんだろうな、というのは伝わってくるな。ラストシーンのレコードの演出は好きだ。ロックンロールはああいうふうに大音量で「どうでもいいじゃない!」であるべきなんだが、ううん、そこに行きつくまでの説得力がどうも、欠けるんだよ。薄い感じがしてならないんだよな、登場人物たちの造形が。

まあ、「ロックンロール」と言ってもいろんな意味があるということだね。チェコではそれはほんとうに「自由」を指す言葉であった時期があるのだろうし。おお、自分の無知が恥ずかしいな、こんなことしか言えなくて。すいません、煮え切らない記事を書いてしまいました。訳わかんねえな、と思いつつ、ここまで一生懸命読んでしまった人がいたら、ごめんよ。

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