ハ ウ リ ン キ ャ ッ ツ

 五線譜という名の線路を辿り、きみと奇跡を探しに行こう。

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ミュージカル「エリザベート」帝国劇場・2010/09

宝塚好きの友人がいて、時々ミュージカルを観に行ったりします。今回もその彼女に誘われての鑑賞、タイトルは何度も聞いていたものの足を運ぶ機会に恵まれなかった「エリザベート」。宝塚でもたびたび演目として取り扱われていますが、今回は宝塚を退団した男役トップスターだった瀬奈じゅんさんが「エリザベート」をやる(ダブルキャストです。私が観に行ったのが瀬奈さんの日だった。というか、友人が宝塚時代から瀬奈じゅんさんのファン)ということで、宝塚では彼女は男役としてエリザベートの相手である魔王トートを演じていたはずですから、なんかそう考えるとだんだん訳がわからなくなってきますね。今回は相手役であるトートもトリプル・キャストで、この日はなんとあのイケメンの城田優くんが演じると言うのでちょっと楽しみにしていました。

帝国劇場、久しぶり。どうしてでしょうね、この劇場、とても下世話な感じと澄ました感じが入り混じった、独特の雰囲気があるんです。学生時代に「レ・ミゼラブル」という、これも有名な素晴らしいミュージカルがとても好きで、夏休みにこの帝国劇場に通いつめたことがあります。2階の通路にじかに腰を下ろして観る席が、開演直前に安く出るのでそれ目当てでした。ジャン・バルジャン鹿賀丈史、ジャベール村井国夫、エポニーヌ島田歌穂という自分の中の黄金キャストにめぐり合う日がなかなかなくて、いつもキャスト表とにらめっこしてました。そのうちに脇役の人に眼が行くようになり、グランテールという酒飲みの役がすごく気に入って、その役を誰がやるのかも最重要課題になりました。あ、レ・ミッズの話はもういいですね。でもまた帝劇でやるそうなので、チラシを観て懐かしいなあと思ったんですよ。

「エリザベート」もレ・ミッズと同じように再演に再演を重ねられ、よく熟した感のあるミュージカルで、全編を通してほとんど台詞はなく歌で互いの気持ちや思いがつづられていきます。物語としては、オーストリア皇后になったエリザベートと彼女の愛を望んで死にいざなう魔王トートとの長い戦いと、最後に訪れる愛の結実の物語、と書いてしまうといささか簡略すぎますが、さらにもっと簡単に言ってしまうならば、綺麗だけど世間知らずのまま嫁に行っちゃって散々苦労するわがままで高慢なお嬢さんと、そのお嬢さんのツンツンなところに惹かれてしまって霊的最凶ストーカーを繰り返すヤンデレ魔王の話です。あ、個人的解釈しすぎですか、そうですか。すみません。

それにしても、ここまで主人公のことを好きになれないミュージカルって初めてだなあ。エリザベートの性格設定がなにかどうも全体的に「いやなやつ」なんですよ。ヒステリックで痙攣的にものを言う女としか思えないんだけど、そう思わせるのが目的でこの芝居は作られてるんでしょうか。私の見方が「好き」「嫌い」を根底に置いた安易で軽薄なものというだけで、他の皆さんはもっと深遠な見方をされているんでしょうか。第1部ではまだエリザベートも若いので「あらあら、困ったお嬢さんね」となま暖かい目で見ていられますが、第2部になると次々と不幸な事件が起こりまくって、内容も相当重いものになってくるので「それでいいのか! 考えなおせエリザベート!」と叱咤激励したい気持ちでいっぱいになります。男女の関係、権利と義務、「私」らしくあるということ、愛というものの価値、さまざまな問題を含んだ色々な解釈ができるミュージカルだと言うことには間違いありません。
音楽と使われている曲の数々は素晴らしいです。レ・ミッズのように同じテーマが何度も何度もシーンごとに違う編曲で取り上げられて、その編曲の仕方そのもの(明るい曲調か/陰気なのか)が劇の行く末の伏線自体になっているあたりはさすがによく出来ています。

で、楽しみにしていた城田優くんの魔王ですが、さすがに背が高くてイケメンなので舞台に出てくると惚れ惚れします。エリザベートを演じた瀬奈じゅんさんともよく似合う(瀬奈さん、劇を追うごとにほんとうに美しい)。周りをミュージカル俳優が固めている中で歌について言うのはちょっとかわいそうな気もしますが、城田君はたぶんまだミュージカルを不自然に見せないための歌い方(聞かせどころ以外では台詞を言うような感じで歌を歌えるとミュージカル俳優としては一流だと私は思う)に慣れてなくて、魔王っぽさを前面に打ち出した妖艶な歌い方をしていました。昔……どこかでこういう歌い方を聞いたことがある……低音のかすれる、こういう歌い方……と記憶を探っていたら、ああこれは昔のお化粧系バンドのボーカルの人の歌い方なのだ! ということに思い当り、そのうちにBUCK-TICKの櫻井敦司にたどり着きました。もう、世代が同じくらいの人にしかわからない話をしますが、長髪でヴィジュアル系バンド全盛だった頃の目の周りが黒いメイクにどうにも似ている舞台上の魔王・城田優くんの姿と、かのあっちゃんの姿が頭の中でダブった瞬間、思わず歌ったよ俺。

「ジャストワンモアキス 横顔はまるで刹那の美貌ッ♪」

歌えた自分がどうかと思ったね。幕間の時間には「悪の華」も歌えた。あっそびはここでーおわっりにしよおぜー♪ 城田優くんは私にはあっちゃんを彷彿とさせてしまいました。一度「あっちゃん」って思っちゃうと、もうずっとあっちゃんに見えてきて大変。城田くんの出てくるシーンのあるたび「あっちゃん……」「またあっちゃん……」って頭の中にBUCK-TICKの曲が流れてた。
ところで、ここまでどれだけ話についてきてくれている人がいるのかわからないけど、BUCK-TICKさんはとてもいいバンドなんだよ。メンバーチェンジもせずにずっと同じ人たちでいまだにやってる、数少ないバンドだ。私はドラムのヤガミトール氏がとても好きで、一時期ライブをよく見ていたのだよ。

肝心の劇そのものより、帝劇の雰囲気とか、レ・ミッズとか、BUCK-TICKとか、いろんな記憶を発掘したミュージカル鑑賞でした。でも、やっぱりね、オーケストラがちゃんと生で演奏してくれて、舞台上で人が「いま」きちんと役を演じてくれる、とにかくライブ感のある演劇やミュージカルはいいよな、と思う。日本はどうも全体的に演劇などのチケットが高すぎるような気がするけど、もう少しみんなが気軽に観に行けるようになるといいよね。

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おもしろいわ、この劇評

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