ハ ウ リ ン キ ャ ッ ツ

 五線譜という名の線路を辿り、きみと奇跡を探しに行こう。

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落し物の多いあのひと/穂村弘とブルーハーツ

とんでもないところで、ヒロトさんやマーシーに出会うと、すごく嬉しい。あのね、今日、私、ヒロトさんに会いました。

なんて、どきどきするような書き出しにわざとしてみたりするんだけど、期待した人はごめんね、これから書くのは、なまみの彼らに会ったよ、っていう話じゃなくて、とある本を読んでいたら、ヒロトさんの名前に出会っちゃったよ、っていう話。でも私は大抵、自分が好きな文章を書く人の本を読んでいるわけだから、これは「あ、私の好きなあの人もやっぱりブルーハーツが好きなんだ!」っていう嬉しい偶然。

ブルーハーツのことを書いてた人というのは、歌人の穂村弘さん。たしか少し前にこのブログでも彼の短歌が好きなんだって紹介したことがあると思う。ここを読んでくれている中にも「穂村さんの短歌、私も好きだよ!」って言ってくれた人がいて、あれは、なんだかすごく嬉しかったな。
穂村さんのエッセイ集「もうおうちへかえりましょう」が今年になって文庫化されて、やっとそれを手に入れて読んでいたのです。この本自体は2004年に単行本化されているし、ブルーハーツについて彼が書いた文章は2002年の初出だったから、もう少し穂村さんに詳しい人なら、彼がヒロトさんに衝撃を受けたというのは知っていて当たり前のことなのだろう。でも、私は昨日買ったこの本ではじめて知ったものだから、相変わらず地から足が少し浮いているような……というよりは、むしろ足が土にめり込んで動かないのをなすすべもなくただいつまでも途方にくれているような、へんな浮世離れの仕方をしている穂村さんの文章の中に「ブルーハーツ」という単語を見つけたときは、本当に驚いてしまったよ。

誰かが語る「ブルーハーツ」や「ヒロト」や「マーシー」が好き。その中でも、同じフィールドに立つミュージシャンが語る「ブルーハーツ」より、作家さんとか、穂村さんのような歌人とか、言葉を生業とするひとが語る「ブルーハーツ」のことを読むのが好き。はじめっから言葉になんてできるはずがない衝撃や、受けた感動のようなものを、それでも四苦八苦して言語化して書こう、伝えようとしてくれるから。「もうおうちへかえりましょう」の中では、村上春樹のずば抜けた「素敵」な文章に完璧に殺され、臆病になっていた自分を「自由」にしてくれたのがブルーハーツの「リンダリンダ」だった、と書かれていた。80年代という時代のきらきらとしてしかし行き場のない閉そく感、それを打ち破った普遍的なただひとつのメッセージについて、穂村さんはいままで私が読んだ中ではいちばんわかりやすく、あの時代に「リンダリンダ」を聞いた全ての者たちが撃ち抜かれた感動の正体について書いていた。私はさすがにリアルタイムでブルーハーツの歌を聞いていた世代ではないけれど、いろんな人に話を聞くたびに、「リンダリンダ」というあの歌がすごいのは、いわゆるあの歌を「聞くべき世代」だったキッズたちだけでなく、いままでロックンロールに縁がなかったような大学生やサラリーマンやその他大勢を、ぜんぶ、丸ごと、なんだかよくわからないが震わせたらしいな、というところにあるような気がしていた。その「振動」の理由の一端は、穂村さんの書いた文章で理解できるように思えた。そして、褒めるということはけなすことよりずっと難しくて照れ臭いものなのに、こんなにもストレートに愛をこめてあの歌について語る人を、私は久しぶりに見たように感じた。

「穂村弘 ブルーハーツ」で検索したら穂村さんのこんなインタビューが出てきて、ブルーハーツについて話しているのは全体の真ん中あたりくらいだけど、ここで語られていることがほとんど私の読んだエッセイにも折り込まれていることなので、穂村さんの短歌が好きで、彼がどんなふうにブルーハーツについて話しているのか、ということを知りたい方は是非、是非いちど読んでいただくと、すごく面白いと思います。穂村さんって、エッセイとかはほんとうにどこまでも途方にくれただめな感じで面白いけれど、その実、言葉や想いに対してとても鋭利で、繊細で、自分や他人の中に起こるちょっとしたずれを見逃さない怖さを持っているひとだな。


ヒロトさんヒロトさん、今日、大好きなひとの本の中に、あなたの名前を見つけました。そんなところにも、あなたはちゃんといるんですね。あなたは落し物や忘れ物のほんとうに多い人です。いろんな場所に、あなたを見つけることがあります。でも、それを拾い集めていくのは私にとって幸福な体験です。ヒロトさん、私、落し物の多い人が好きですよ。今夜はどちらで落し物をされたのでしょうね? 

コメント

穂村さんインタビュー

私、このネットのインタビュー何度も読んだよ。ヒロトを初めて見たときの想いがすごく似てた。たぶん、あの時代は多くの人が同じ感情を共有して、同じくらい多くの人が反発したと思うなぁ。DOLLS?っていうパンク雑誌で、ブルーハーツは必ず「好きなパンク」「嫌いなパンク」どっちも1位だった。
今は、好きか無関心だよね。嫌いってバンドが無い。知らないから。嫌いになるほど知ってるバンドが無い。知らない、探さない方も悪いんだけど、発信されただけでインパクトを与えるバンドもなかなかないもんね。サンボマスターはちょっと驚いたけど、色々と(笑)
ロキノンやら何やら思うところはありますが、とりあえずもう一つ素敵なインタビューをご紹介。もう読んだかな?

http://www.koshinfu.com/homu.html

ジャケット脱ぐ清志郎に「天才!」と快哉を挙げ、ヒロトの鬼気迫るステージと一歩も引かない清志郎の魂に拳を握ります。ロッケンロー!と叫びたくなると思うよ。

あんこさん
コメントをありがとうございます。本のほうでは村上春樹についてもよくまとまった考察があって、そのあとでブルーハーツについてこれまた鋭い文章があり、そのふたつがとても歌人らしい方法できれいにリンクしていたものですから、まるで対の絵を見るようでした。
私の紹介したインタビューも一番下に2001年との表記があるのですが、穂村さんがすごいと思うのは、80年代に受けた衝撃を2000年になってもまだあんなふうにきらきらと、全く疑いのないただひとつのものとして語れることだと思うんです。80年代にきっと穂村さんと同じような衝撃を受けた人はたくさんいると思うんですよ。でも、大抵はそのことを忘れてしまうか、時を重ねるにつれて疑ったり、背を向けたりするでしょう? でも穂村さんはいままで何度も同じように自分の受けた衝撃や感動について、ブルーハーツというのはすごいものだ、ヒロトという人はすごいぞ、とずーっと語り続けてきたんだと思うんです。何度でもそのたびに新しい感動をもって語られる素晴らしい体験談というのは、歌い古されてなお人々の口の端にのぼる一曲に似ていると私は思います。

あんこさんに教えて頂いたインタビューは、「穂村弘 ブルーハーツ」で調べると2番目に出てくるので読みましたよ! 話に出てくる清志郎・ヒロトさんのみならず、歌人というのも相当にロックンロールですね。

「今は、好きか無関心か」ですか……。厳しいご意見です。でも「好き」のレベルもずいぶん下がっているように思うことも私はありますねぇ。「嫌い」「おかしい」って真っ向から批判するのってけっこうリスクが伴いますから、みんなやりたがらないんですよ。その結果、あんまり知らないのに「そのバンド好きです」という意見になったりして、詳しく聞いて「えっ、よく知ってるから好きなんじゃないの?」って混乱したりするときがあります(笑)

ハウリンキャッツで穂村さんの名前を聞いたら、元同僚が穂村さんが好きと知ったり、最近読み終わった本のあとがきが穂村さんだったり。
で、ヒロトとも繋がるのか~~~。

こうゆうことってありますよね。
虫の知らせじゃないけど、私につきまとう(良い意味で)みたいなこと。
読んでみなさいと呼ばれているのかも・・・。

ブチさん
好きなもの・ことってなんだか妙に繋がっていくときがありますよね。なんだか気になって仕方なかったり。ブチさんの周りにも「ホムラ」の影がちらちらしているみたいですね。

近々きっと書店で目が合いますよ、彼の歌集と。一見なんでもない背表紙のその本に、魔法がかかる日はたぶんもうすぐです。

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